吉田アミの日日ノ日キ

吉田アミが書きました。

穴を掘って埋めるような作業

ここ数年、まかりなりにもかたちになるような仕事をちゃくちゃくとこなしまくっていた私が今何故、穴を掘って埋めるような無駄な作業をしているのだろう。こよなく無駄を憎み余った時間で心底くだらないネタを追って次のアイディアに生かすというのを言い訳にしているような仕事内容からは到底、想像できない。過酷な肉体労働である。肉体労働は体が弱いので無理と諦め頭脳労働へと変わっていったわけだがこのような作業が続くのであると私の創造的な精神は確実に蝕まれるような気がしてきた。いかにも自分に合っていないと思われる作業(でもかつてはやっていたので出来るのだけど)はツライなあということに改めて気が付いけたのが良かった。この仕事をしてみることでツキは戻って厄は落ちるに違いないと思う。修行だ修行修行。いかにも穴を掘って埋めるよな作業なんて実に苦行っぽい。ちょっといろいろ考えちゃうなあ。

11/30(mon.)

多分、5,6年前のものだろう。これ。

ここは水槽の中のみたいなドームの中のコロニー。蔦や草で絡まった住宅がひしめいている。人工的に植樹された樹が鬱蒼と茂っており、建物と建物の境界線の役割を果たしている。
 日の光に似せた照明によってぼんやり曇った空から均一に光が降り注いでいる。家はほとんどが一軒家でどこの家も立派な庭を所有している。
 家の敷地内の地面(僅か1mmほどの厚さ)がおぼろな蔦草の絡まりでできていた。地階が透けて見えるので興味が湧いてそこの階段を下りた。コンクリートの階段を下り、頭上を見上げると薄いグリーンのプレート(地面)の隙間から光が漏れている。不思議なことに地下室だと思ったそこは普通の庭と同じで、睡蓮の咲く池まである。苔蒸した地下庭園の湿った空気はひんやり咽に張り付く。
 グリーンに染まったその場所を引き立つような赤いドアの玄関。戸は少し開いていて自分をこちらへと招いているようだ。暗い家の中に吸い込まれるようにドアーを押し開き中に入ると螺旋の階段が中央にあった。家の中の壁はガラスで出来ていて外が見える。ただし、土の中なのでたいした景観が望めるわけでもなく、もぐらにでもなったような気分。
 階段を上がる。上は暗くて何も見えない。足下さえも薄暗くて不確か。それでも途中、目をこらしているとグリーンの色の線を見つけた。それがプレートとの境目があるとすぐ分かった。たった一段、階段を上がり境目を抜けるとそこはまばゆいばかりの光の部屋だ。
 そう−−地上に出たのだ。
 今まで上ってきた階段がプレートで覆われ、見えなくなっていた。プレートの下が暗闇の世界ならあながちここは光の世界といった感じ。天と地ほど違う。
 四方で囲ったマジックミラーの壁からは外の様子が伺い知れる。ほんの少し湿気で窓が曇っていたけど、間違いないそれは先刻見た外の風景だ。
 上を見ると嫌みじゃない洒落たシャンデリアが吊られていた。天井はステンドガラスでできている。なにを模していたのか一瞥しただけでは分からなかったが・・・。
 マジックミラーの扉を抜けてそのまま地上に戻った。人工芝の眩しい緑と、グレーの空がそこにあった。
 今度はこの家の裏の家へ行こう。
 歩いて30歩のその家は家よりもずっと大きな木に隣り合っている。壁には樹の幹やら根っこが張っていて家が樹に取り込まれ埋没していた。向かって右側の方に竹薮のような森のようなとにかく樹がたくさん生えていて暗い影がある。それが徐々に左の方に押し寄せ、このコロニー自体をも取り込もうとしているみたいだ。吸い寄せられるように樹の穴の中にある開かれたドアへ歩み寄りながら頭の奥でふと思った。どうしてここには私以外の人間がいないのだろう?と。まるで何十年も前に死滅してしまった街並みみたいだじゃないか。そして私はこの暗闇の中に入ったら二度と出られない・・・そう感じると目の前が真っ暗になり、目が覚めた。

下水道に犬がいる

これは今日見た夢。

犬が駆け落ちして子犬を下水道で産んで育てている。階段を上りきった踊り場の格子の下から覗く轟々と響く下水道に母犬と3、4匹の犬が寄り添ってる。子犬はちゃいろくしろくちいさくかわいいので上から見下ろして私を含めた女子らがきゃあきゃあと騒ぎ立てている。
そこへ騒ぎを聞きつけた父犬が階段を上がってくる。見た目はふつうのビーグルのような犬だがどうも少し興奮し過ぎているようだった。だんだんと怒りだした犬は我々を威嚇してくる。私は犬の横をすり抜けて下に行きたい。後ろは行き止まり。八方ふさがりである。犬の口がぱっくりと耳まで裂けて牙を剥く。ちょっとみたことがない残忍な顔になったのでこれはやばいと思ってすりぬけようとした瞬間、親指の第二関節の部分を1センチ四方丸く食いちぎられる。ほんの小さな傷で血も出ない。
そこへこの犬の飼い主である男女がやって来て、犬を制する。犬はおとなしくなり首輪を繋がれる。この二人は以前、この犬2匹と一緒に一つの家で暮らしていたが二人は別れ、犬もそれぞれ一匹ずつ連れて行ったのだけど、犬はどうしても離れたくはなかったらしく駆け落ちしてここで暮らしていたらしい。それを二人は捜していて、見つけてやっぱりやり直そうという話に落ち着いたっぽかった。
それから私はその二人と一緒に家へ行くことになった。傷の手当てをしてくれるという。これに乗れとうながされたのは一艘の船であった。船が地上を?私は疑問に思ったが、実は船は地上を走るらしい。
すごい速さで船は地上を駆けていく。車と違ってタイヤがないので揺れることはなく、まっすぐにストレートに推進していく。速さは直線的。振り落とされそうにグラグラとなってしまう。
小さな一戸建ての部屋でカーペットはオレンジ色。外から差し込む日差しもオレンジから赤になって消えていくグラデーションでカーペットと混じり合って夜になったので私はその家を出て外の喧噪へ。路面に面したステージからはかたちばかりのいびつなパンクバンドだかコミックバンドだかわからない謎のバンドががなりたてている。メンバーは全員ヴォーカル。メインボーカルの手首にはバラの入れ墨。それを見て見ぬフリをしてそのまま50メートルくらいあるくと世界の終わりの壁になっていた。世界の終わりの壁は高いコンクリートで出来ていた。だんだんと少しずつコンクリートの壁は空へ向かって伸びていく。世界はコンクリートの壁で覆われる。覆いながらどんどんと観客席を壁一面に作ってくれる。バベルの塔のような観客席で客は世界の何を観るのだろうか?まさかさっきのバンド?そんなわけがないだろう。世界の壁はどこまでも伸びながら居ない観客を求める。席は空いている。どこまでも伸びていききって壊れる地球。コンクリートは固めた和三盆で出来ているから甘いにおいが充満するだろう。

カリフォルニアドールズ、今年一発目ライブ

http://californiadolls.info/

しつこいけれどきょうはこれ!

2005年2月23日(水) open&start:19:00 charge:1000円
「光は雨になり雨は川になり川は雪になる」
Live:カリフォルニアドールズアンデルセン
at:高円寺・円盤
http://www.enban.org/

です!よろしくお願いしまくります。