吉田アミの日日ノ日キ

吉田アミが書きました。

人肉を食べさせられそうになる夢

ひどい悪夢を見た。人肉を食べさせられそうになる夢だった。

夢の中で私はオーストラリアらしき外国に居た。知り合い(でも誰だか覚えていない。他人かも知れない)何人かで行動をしている。ロープウェイに乗って山の上へ上る。そこは展望台のようなところであった。
展望台の地下にはスーパーマーケットがあり、店に入った。そこでめいめいがパックされた肉を購入することになった。買った肉は上のレストランで焼いてくれるとの事だ。
現地の人がしきりにと、あるパックを勧めてくれた。いかにもステーキでございといった風の肉の塊である。トムとジェリーなんかにでてきそうなやつ。妙に赤いその肉を一人一人に配るのである。私は「これは何の肉ですか?」と無邪気に尋ねた。すると思ってもいなかった返事が返ってくる。
「人のだよ。」
えっ?と思ってもう一度、訊ねるが答えは同じである。そういわれてみれば、スーパーの中は酸っぱいような独特の人肉臭がする。ああ、これは本物だ。わかった私は断固拒否した。すると相手は怪訝そうな顔をする。
「ホワイ?牛肉と同じここの名物じゃないか。食べないなんて君はどうかしているね。それにこの肉はちゃんと家畜化された人間のものだから問題はない。味の方も保証するぜ!」
そんなことを言われたって食べたくないじゃないか。人肉だぞ、人肉。と思い、周りの日本人の顔を伺うがみなが一応に?という顔をする。
「せっかくここまで来たのに試さないなんてもったいない!」「こんなチャンスはないのに」と言ったようなことを口々に言う。現地の人も私にグイグイとそのパックを押し付けてくる。断ろうにも断れない。肉の臭いがやけに鼻につく。グイグイ押し問答だ。私は近くにあった牛の肉のパックをかすめとり「私はこっちの肉を食べるから!みなさんはお好きなものをどうぞ!」と言った。こうでも言わないとその場が収まらないと思ったからだ。
みんなは不服そうであったが、いくらこういうチャンスだからといってこの不気味な人肉を食べるなんてできないと思った。何とかその場は収まり、レストランへ行くことになった。エスカレーターを上りながら、他の人のビニール袋を見ていた。ずしりと重く垂れるビニール袋の中にはどこの部位だかわからない人間の肉が…。これから私はレストランで彼らと一緒に食事をしなくてはならない。私の人肉の臭いに耐えられるだろうか…。不安なままエレベーターはレストランの階に着いた。

私は楳図かずおの「おろち」を幼少時代愛読していた。ご存知の方もいらっしゃると思うが、あれには人肉を食べる話がある。あのシーンを見た時から私は人肉の味が如実にイメージできるようになってしまった。あと、生ゴミ入りのプリンの味も…。
私のイメージする人肉の味だが独特な臭みがあり、酸味がある味である。肉そのものの食感はかなりやわらかく淡白な感じで味はわからない。書けば書くほど気持ちが悪いがどうにもこうにもこればっかりはとめられない。
実際、どんな味かはわからないし、わかりたくもないがとてつもなく嫌な気分になることは確かであろう。ちなみにこの人肉の味だがゾンビ映画バイオハザードをやっている時もこの味が口の中でしている。苦いような酸っぱいようなそれでいてエグイようなそんな味だ。こういう妄味はどこから来たのかわからない。食べたことがない知らない味だ。あたりまえだか。