吉田アミの日日ノ日キ

吉田アミが書きました。

カフェでのんびりだらだらしているとあっという間に昼である。トニーの部屋で宇波くんのPCを借り、メールチェックとネット。やはりほとんど巡回する暇はないし、不思議と興味もわかない。つなげないならつなげないで別にどうってことがない。ネット中毒者の禁断症状は近代人の証と言うが私の証はどこにいったのだろうか。近代人ではないということなのだろうか…。そうかもしれない。
宇波くんは今日、出番があるのでサウンドチェックへ行ってしまった。私は今日は出演がないので一日オフ。近所を散策し、買い物に。ベルリンは好きな感じの店が多くてとても楽しい。

フェスティバル初日。少し早めに会場にとしまるさんと行く。踏元猛(外人)がラジオの出演があるのでおまいらが出ろということになり、急遽、ラジオ局へ。
歩いて10分という道のりを日本人の短い足では20分。疲れてきた頃にラジオ局に到着。すでに放送ははじまっており、途中からの出演となった。となりではテクノがえらいことかかり続けていたがあれも放送されているのだろうか?とか呆然としながら出演。また、頭の悪い口調のオール日本語で「あなたにとっての打ち上げとは何か?」などという心底、どうでもいい質問に答えさせられる。持ってきたCDも時間の都合でかけてもらえず(私のやつ)一体、ベルリンまで来て何を…という心地よい無力感にさいなまれた。ラジオ局には多田由美のマンガにでてきそうな美形の青年、しかもメガネのテクノカットがおり、眼福を得る。
会場への帰り道。イタリアンレストランでサンドイッチをテイクアウト。モッツレラチーズとドライトマトのオリーブ浸しと、黒田硫黄のマンガに出てきそうな茄子が入っていて、ばかに美味い。うまいうまいと食べながら会場に戻った。ドイツはパンがうまい!
この日のプログラムは

1) Miira Ni Narumade (Bis zur Mummifizierung): Otomo Yoshihide , Sachiko M. , Taku Sugimoto , Kai Fagaschinski ,
Burkhard Beins , Axel D嗷ner , Robin Hayward , Annette Krebs , Andrea Neumann , Nicholas Bussmann , Joe Williamson ,
Christof Kurzmann , Fritz Ostermayer
2) Tetuzi Akiyama , Boris Baltschun , Nicholas Bussmann , Tony Buck
3) Sachiko M. , Andrea Neumann , Robin Hayward , Kai Fagaschinski , Taku Unami

である。大友さんの「ミイラになるまで」を生で観るのは、はじめてだ。その上、これがどういうプログラムなのかまったくわかっていない。多分、ひもじくて死んでしまうまでの様子を刻一刻としたためた日記を朗読しているのではないかと推測したまますでに10年近く過ぎている。今回はベルリンでの上演のため、島田雅彦のテキストはちゃんとドイツ語に翻訳されている。当たり前だが。そんなわけで、私は何を言っているのかさっぱりちっともわからないのであった。
コンサート終了後、総勢50人近くで近くのインド料理屋へ。しかし、スタッフがたったの二人しかおらず、オーダーしてから料理が出るまで一時間近くかかる。だらだらと過ごすがあまりにも眠くて仕方がない。アンドレアもオーストラリアから帰ってきてその上、フランクフルトで一日足止めをくらって相当に疲れたらしく、先にアパートに戻った。あまり長居をすると熟睡している彼女を起こさなくてはならなくなるため、カレーを食べたあとは、さっさと宇波くんとキャップと三人で帰ることに。体力温存。健康第一。長いツアーではそれが鉄則であろう。いかなるときも無理などしたくはないものだ。