吉田アミの日日ノ日キ

吉田アミが書きました。

右手ちゃんと左手さん

神の右手悪魔の左手というマンガを楳図かずお先生が描いていらっしゃっていたが、そこまではいかないまでも私の右手と左手も別人格を形成している。幼少のみぎり、一人っ子だった私はよく、一人遊びをしていた。その度、右手は果敢にイケイケの向こうみずな性格、一方、左手は冷静沈着、洞察力に優れ、虎視眈々とチャンスをうかがいモノにするタイプと決められていた。勝負の行方はやるゲームにもよるが、右手のほうが思い切りがよく、運も強いが良いときと悪いときの差が激しく、左手はコツコツと平均的にあててきて、大きな失敗はないが大きな成功もないという結果であった。
私は人によく「明るいんだか暗いのだかわからない」などまったく相反する二つのイメージをもたれ、矛盾を感じられることが多いのだがそれはすべてこの幼少期の右手ちゃん、左手さん遊びの影響であるとすればすべてが合点がいく。二つの価値観がぶつかり合い、同時に相手をののしり、最高にダメージを与えつづける。ボケとツッコミが混在する。そのバランスが崩れると厄介だ。最近、右手モード強かったように思うので冷静になろうと、どっかで思った。しかし、ステージなどで道化になるには右手力を極めないとダメだ。いまいち、ふんぎりがつかず、左手が邪魔するあの瞬間にリズムが狂う。躊躇すると「」悪い。瞬時にテンションをあげるために、右手力の特訓が必要だ。自分のバカさをのばしつつ、それを冷静に客観視つーか、直視できないようでは一人前の芸人にはなれねぇって、ハ!私はいつから芸人を目指していたんだっけ、か。
盛り上がって反省しての繰り返し。人生一生勉強だ。