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吉田アミの日日ノ日キ

吉田アミが書きました。

エスパー忍者、忍者屋敷を襲う

私はとある秘密組織に属していた。われらのアジトである忍者屋敷が敵にのっとられたとの伝達。やつらを殲滅せよとの命令。
2人一組でチームを組み、忍者屋敷へと足を運ぶ。途中、見えぬ敵に襲われてチームはてんでばらばらになったが次の地点で集合とのテレパシーが送られてきたのでまあ、だいじょうぶ。
われわれは忍者でありエスパーであるエスパー忍者なのだ。強いぞ強いぞ。歴史の影にわれらの隠密活動あり。
しかし、武装した敵は思いのほか手ごわく、相手を過小評価したわれわれの虚を突いた。寸でのところで手裏剣をよけた私はひるがえって、逃げろ逃げろ逃げろよと危険信号発しながら逃げた。途中、負傷した味方の少年(搭矢アキラ似)と会う。左肩を負傷した彼をかばおうと駆け寄ると彼がこっちをキっとにらんで伏せろと合図。この近くにこのエスパー忍者集団でも一二を争う凄腕の彼を負傷させた敵がいるのだ。軽率な行動はよせと合点がいく。
ゆるゆるとあたりを警戒しつつ彼のそばにより、近くの植え込みに身を潜める。腕の怪我に応急処置しながら敵の形状を聞く。敵はマトリョーショカか鋼鉄の乙女だかミイラかのような木の人型に入ってずるりずるりと徘徊している。人型の中に何か不気味な邪悪なモノ、コードナンバー「おばあちゃん」と呼ぶ何かが入っており、それがすばやい鎌のようなもので、腕を貫いたという。説明をきくやいなや、後ろからずるりずるりと何かが擦れ動く音が近づく。ふりかえるとそこにまさしく、聞きしに勝る不気味なイレモノがきょろきょろとレーダーでセンサーでも持っているかのようにわれわれにねらいを定めた。逃げろ!と植え込みから駆け出し、近くのロープウェイ乗り場まで逃げ込む。
ロープウェイの到着する時間はあと数分。何とかこの中へ逃げ込めば敵をまけるだろうと算段。走って逃げるのではいつかは追いつかれる。負傷者を助けながらではリスクが高すぎるとの判断で。
ちょうど来たロープウェイに乗り込むと50メートル先におばあちゃんが!どうなる!どうする!逃げ切れるのか!いや、この距離なら大丈夫であろう!と乗り込みがちゃがちゃとドアを閉めたその瞬間、イレモノがまぷたつにパカっと割れ中から黒い塊がすごい速さで飛んでロープウェイ(正確には観覧車)にぶちあたった。衝撃で少し揺れる。そのまま真上へ上昇。窓のちょっとした隙間に手をかけ、ものすごい力でがたがたと窓をこじ開けようとする。私と彼が力を合わせたが、所詮、彼は右手を負傷しており力なく頼りない。ごりごりとこじ開けられた小さな隙間からするりとコードナンバーおばあちゃんは入ってきた。ロープウェイの中でびょんびょん目にも止まらぬ速さで飛び回り私の腕にしかっとつかまった。その手は。ごりごりと腰のあたりに腰ぎんちゃくのように頭を押し付けてくる。黒い、黒い、黒い髪。かきあげて、頭を上げたその顔は異形の日本人形であった。異形の日本人形はただ、頭だけでその頭の右と左から唐突にいかつい腕が伸びている。しかも、手だけが異様に大きく、不気味である。そのうえ、すごい怪力。私の腕から離そうとしても離れなかった。しかたがないので、みなの待つ、アジトへ。
それから数日後。
もういちど、忍者屋敷へと偵察にいった私は目を疑った。敵がすべて殲滅されていたのだ。不思議に思いつつも警戒しつつも中へ潜入。2Fにあがった奥の部屋に人影が。いざとなったら私が殺さなくてはと身構えたが、そこに居たのは・・・。
小野ヤスシであった。
小野ヤスシが6畳の部屋を自分なりにカスタマイズして趣味の歯車集めに興じていた。錆びたネジやボルトが転がるみょうちくりんな部屋に鎮座する小野に向かって私は思いもよらぬ言葉をかけた。
「ボ、ボス!」
なんと、小野ヤスシはわれわれ忍者エスパーの統領であったのだ。小野はわれわれが手をこまねいていた敵の殲滅を一瞬ですませ、さっさとこの場に趣味の部屋を作っていたようだった。この吉報をみなに知らせねばと帰り道はマッハ。アジトにつくと、件のおばあちゃんはすっかりみんなに馴染んでしまい、マスコット的な存在になっていた。みための不気味さがかわいさにシフトしたらしい。みなが競っておばあちゃんを奪い合い、かわいいおべべをきせてあげてた。