吉田アミの日日ノ日キ

吉田アミが書きました。

スイス、チューリッヒ 一日目

第二の二階にある郷土汁屋でねぎとろ丼と豚汁を食べ、しばし口にできなくなる日本食の〆とする。
さて、ここのところ9,10,11と来た毎月海外に行っている気が狂った状態の〆となる今回。初、ひとりきり。初、日本人オンリーとなるこの4日間を考えると軽く眩暈がする。あわてて買った実に頭の悪い実用的な英会話本を片手に、いざに備える。
飛行機わくわくセットでわくわくする間もなく飛行機はスイスへと飛び立つ。今回、機内ではディズニーの「美女と野獣」をセレクト。とくに観たいわけでもないが、他もとりたてて観たいとも思えないため、仕方なしにの消極的選択。
頭のイカれた発明家の町娘の主人公。またもや、片親である。ほんとうにディズニー映画は両親がそろっていたためしがありませんね。
で、その女の子は町じゅうの女の子たちがお熱な狩人にストーキングされていました。恋愛もすっとばしていきなり結婚を申し込みつづけるある意味、純で熱血な狩人をやんわりとかわし、読書でもしていたほうがずっといいわ、と頭のいい自立した女ぶりをアピールいたします。さながらはやりの負け犬的キャリアウーマンとでもいった風情でしょうか。そんな彼女がひょんなことから森の中の城に住んでいる野獣に軟禁され日々を一緒に暮らすうちに二人は恋に・・・という観なくても知っている話です。
ただ、思ったのと違っていたのは野獣がまったく野獣ではないところです。野獣というんだから、私に野獣らしい魅力を見せてみろ!その野獣らしさでメロメロってな話だろう!と期待していたにもかかわらず、この野獣は犬ころ程度の野蛮さで、ちっとも怖くはありません。その上、彼女にはめっぽう弱くって初っ端から言いなり。スープの飲み方が下品とマナーを正されてへいへいと直しちゃうのです。そう、このアニメは育てゲーです。女が野獣たる男を調教し、自分好みの奴隷に染めていくという逆源氏物語といったところでしょうか。それで彼女はまんまと逆玉にさえ乗り、お城で楽しくおかしく暮らしましたってバカじゃねええのか!!!!と腹立たしい思いでいっぱいです。ちっともおもしろくありませんでした。というか、野獣に対する彼女の態度がどうにも観ていて人道的とはかけはなれているように思えて腹立たしくなってきたのですって野獣なので良いのでしょうか。常識のないバカはどんな美形であろうとも犬畜生以下。教育してちゃんと見れる男にしてあげましょうというなんだか上から物を言うような姿勢がイヤ。もうちょっと何とかして欲しいよとディズニーに言ってもしゃあないのですが。別にうらやましいわけでは決してありません。ああ、決してありません。あんな頭の悪い男はこっちから願い下げです。服従よりも、もっと楽しい恋の話がしたいものです。
そんなこんなで空港に着き、ホテルへタクシーでゴー。ホテルの地図を見せるとホイきたとばかり髭のおじいちゃんが運転してくれました。25分くらいでホテルに。途中、途中、風光明媚な観光スポットをアナウンスしてくれるおじいちゃんドライバーに感謝しつつも、それ、ぜんぶ、この地球の歩き方に載ってるよなどと野暮なことは口が裂けても言えません。
おろおろとチェックアウトを済ませ、部屋へ着くと、ジリリリんと、今回の共演者であるフレディのマネージャークリスティーから電話。しばし、会話で明日の予定などを確認。なんとか英語でやりとり&聞き取ることができホッとひといき。明日の13時までは一人。
とりあえず、着替えて、ホテルのフロントさんに教えてもらった日曜日でも20時まで空いているというチューリッヒ駅の下のショッピングゾーンへ。酒やつまみなどをチョコチョコ買って帰ってきて、それをつまみのみつつその日は早めにおねんねさ。