吉田アミの日日ノ日キ

吉田アミが書きました。

下水道に犬がいる

これは今日見た夢。

犬が駆け落ちして子犬を下水道で産んで育てている。階段を上りきった踊り場の格子の下から覗く轟々と響く下水道に母犬と3、4匹の犬が寄り添ってる。子犬はちゃいろくしろくちいさくかわいいので上から見下ろして私を含めた女子らがきゃあきゃあと騒ぎ立てている。
そこへ騒ぎを聞きつけた父犬が階段を上がってくる。見た目はふつうのビーグルのような犬だがどうも少し興奮し過ぎているようだった。だんだんと怒りだした犬は我々を威嚇してくる。私は犬の横をすり抜けて下に行きたい。後ろは行き止まり。八方ふさがりである。犬の口がぱっくりと耳まで裂けて牙を剥く。ちょっとみたことがない残忍な顔になったのでこれはやばいと思ってすりぬけようとした瞬間、親指の第二関節の部分を1センチ四方丸く食いちぎられる。ほんの小さな傷で血も出ない。
そこへこの犬の飼い主である男女がやって来て、犬を制する。犬はおとなしくなり首輪を繋がれる。この二人は以前、この犬2匹と一緒に一つの家で暮らしていたが二人は別れ、犬もそれぞれ一匹ずつ連れて行ったのだけど、犬はどうしても離れたくはなかったらしく駆け落ちしてここで暮らしていたらしい。それを二人は捜していて、見つけてやっぱりやり直そうという話に落ち着いたっぽかった。
それから私はその二人と一緒に家へ行くことになった。傷の手当てをしてくれるという。これに乗れとうながされたのは一艘の船であった。船が地上を?私は疑問に思ったが、実は船は地上を走るらしい。
すごい速さで船は地上を駆けていく。車と違ってタイヤがないので揺れることはなく、まっすぐにストレートに推進していく。速さは直線的。振り落とされそうにグラグラとなってしまう。
小さな一戸建ての部屋でカーペットはオレンジ色。外から差し込む日差しもオレンジから赤になって消えていくグラデーションでカーペットと混じり合って夜になったので私はその家を出て外の喧噪へ。路面に面したステージからはかたちばかりのいびつなパンクバンドだかコミックバンドだかわからない謎のバンドががなりたてている。メンバーは全員ヴォーカル。メインボーカルの手首にはバラの入れ墨。それを見て見ぬフリをしてそのまま50メートルくらいあるくと世界の終わりの壁になっていた。世界の終わりの壁は高いコンクリートで出来ていた。だんだんと少しずつコンクリートの壁は空へ向かって伸びていく。世界はコンクリートの壁で覆われる。覆いながらどんどんと観客席を壁一面に作ってくれる。バベルの塔のような観客席で客は世界の何を観るのだろうか?まさかさっきのバンド?そんなわけがないだろう。世界の壁はどこまでも伸びながら居ない観客を求める。席は空いている。どこまでも伸びていききって壊れる地球。コンクリートは固めた和三盆で出来ているから甘いにおいが充満するだろう。