吉田アミの日日ノ日キ

吉田アミが書きました。

FADER11に音楽マンガレビュー寄稿しました

http://www.faderbyheadz.com/fader/fader11.html

待たせしました!!!!「FADER」最新号、なんと15カ月ぶり(!)に満を侍しての発売です!!!!! コアな音楽誌FADERが、創刊8年目にして初の試み「マンガ×音楽」を総力特集! FADERがやるからには、よくあるマンガ特集とはひと味もふた味も違います!

第11号の表紙は、電子音楽の始祖、カールハインツ・シュトックハウゼンと、マンガ 『よつばと!』でコミックと音楽との見事な邂逅を果たしたあずまきよひこの2組!!FADERでしかあり得ない、ハードエッジなカップリングのW表紙でお届けします!

<第11号の内容>

◆特集1 
ヴィジブルミュージック
音楽雑誌FADERがお送りする「マンガ特集」です。音の出ないメディアであるマンガと、音楽との関係性を、インタビューや「マンガで描く音楽レヴュー」(たぶん業界初企画!)などを通して探ります。

●インタビュー:
あずまきよひこ……『よつばと♪』制作秘話などファン必読のディープな内容!
  (+里見英樹よつばスタジオ)+栗原正己(栗コーダーカルテット/ポップス
オーケストラ)+イトケン)
志村貴子……『敷居の住人』から『放浪息子』『青い花』まで
西島大介……『凹村戦争』『世界の終わりの魔法使い
熊倉隆敏……『もっけ』について、妖怪と音楽の関係
●マンガで描く音楽レビュー(たぶん業界初企画!):1Pのマンガ/イラストで音
楽を紹介!
   小田扉玉置勉強加藤伸吉ばらスィー
   村上かつら/たくまる圭/BURNT FRIEDMAN

●編集部特選!“音楽”を感じるマンガ/レビュー 一挙50本掲載!

◆特集2 
Roots & Edges of Electronic Music
電子音楽の始源にして先端」。そんなテーマの元に、カールハインツ・シュトックハウゼン大野松雄刀根康尚高橋悠治、ノア・クレシェフスキー(インタビュアーは竹村ノブカズ!)、イルミン・シュミット(ex-CAN)、渋谷慶一郎の8人の“電子音楽の賢人”との対話を一挙掲載。現代の音楽のパイオニアたちの含蓄と示唆に富んだ、読みごたえ満点のロング・インタビュー特集です!

カールハインツ・シュトックハウゼン大野松雄刀根康尚高橋悠治、ノア・クレシェフスキー×竹村ノブカズ、イルミン・シュミット(ex-CAN)、渋谷慶一郎

◆その他、MOODMANと山辺圭司と富樫信也によるアーサー・ラッセルについての対談、バトルス、コラボレート・アルバムを発表したジム・オルーク坂田明の対談、スコット・ヘレンことプレフューズ73とトータスのジョン・マッケンタイア&ジョニー・ハーンドンによる対談、アモン・コンタクト/ビルド・アン・アークのカルロス・ニーニョ、勝井祐二が語るアルゼンチン音響派、オールドタイム・ファンクに新たなサウンドを加えているストーンズ・スロウのイーゴンとディープファンク・マエストロことケブ・ダージ、ブラクスプロイテーション・フィルムの元祖メルヴィン・ヴァン・ピーブルズと彼の映画『スウィート・スウィートバック』をリメイクしたマリオ・ヴァン・ピーブルズの親子取材、ベルリンのフェスティヴァルやクラブ・シーンをレポートするmarkeB 05、アンダーグランド・ダンス・ミュージックの風雲児ハウンドハックとエラースミス、オウテカ、アトム・ハート、リョウ・アライ、インナーサイエンス/ポートラル、渋谷慶一朗/ATAKレイ・ハラカミ、カーム、そして原稿がタイヘンすぎて自分たちの首を絞めている気がしないでもないがしかしまだまだ続ける4000字ディスクレビューや、映画、マンガ、ブック、アート・コラムなども充実、盛りだくさんの内容です。

ということでトチ狂った雑誌になっていそうな予感です。

もう、半年以上も前に原稿上げたので記憶がおぼろげですが、私は大友克洋「ハイウェイスター」と鳩山郁子「カストラチュラ」と鈴木志保「船を建てる」について書きました。

大友克洋はジャズ、ロック、歌謡曲、懐メロなどをテーマにしたマンガが初期にはかなりあってイカシてますということを敢えて言いたい!大友先生といえば、AKIRAなんて言うだけの輩は大友克洋をまったく理解しちゃいねえよ!そういう人はスチームボーイの良さもわかるまいて。
んで、私は初期の4畳半SFモノ(勝手に命名)がとても好きでねえ。ムロン、AKIRAバイブルなわけですが。そういうAKIRAも音楽というテーマで取り上げてみても語るところがいっぱいあるんだよな。アニメではケイと金田が逃走するシーンで笠置シズ子の東京シューシャインボーイが流れたりとかして、昭和の戦後の混沌とした雰囲気をサンプリングしたりするセンス!近未来なのに懐かしいのだ。あー好きだ。大友先生!大好き!

鳩山郁子の「カストラチュラ」はマンガ好きにはぜひぜひ、一読してもらいたい名作で、纏足のカストラート(去勢歌手)、シャーロット・リンをめぐる少年たちの話。カニバリズム、耽美、少年愛とめくるめく官能ワールドでありながら非常に残酷で美しいユリイカの寄稿が縁で個展の時にご本人にもお会いしたのですが、すごく素敵な方でドキドキしました〜。私はガロのデビュー当時から鳩山先生ファンなのでここに来てレビューを書けたのはよかったな。続編の「シューメイカー」もマニア受けだけじゃなく、広く一般的に読みやすい話なのでオススメだ。2月に発売される予定のユリイカ稲垣足穂特集ではまた一緒に名を連ねるので好きの一念岩をも砕くだなーと思う次第。なんたって、中学生の頃から好きだったのだから驚きだ。あの頃の自分に自慢しに行きたい気分だ。

鈴木志保の「船を建てる」も一部でカルト・コミックとして名高いがあんまりこの作品も顧みられてない感がありますのでみなさまにご紹介したかったマンガ。アシカ(!)のコーヒーと煙草を主人公に様々な人間(つーか動物)模様が入り乱れて最後に世界の種明かしが。アヤコレットがラングストン・ヒューズの詩「宣言」を歌っているのだけど、私は「船を建てる」を読むと無条件にこの曲が頭に流れます。ぼくが海に泳ぐアシカだったらね〜中国まで泳いでって、そいで もう きみには もう ぼくに 会えないね。そう! 全然もう 会えないね〜つれなく 愛しなんか しなくってさ! つれなく 誠なんかもたなくってさ!〜♪という詩であります。
あ、でも書いたときはこのアヤコレットの唄を知らなかったので実際はレコードの針飛びでループする一日の物語について書いたと思います…。