吉田アミの日日ノ日キ

吉田アミが書きました。

トラックバックいただいたので補足

http://d.hatena.ne.jp/TRiCKFiSH/20060715/p1

コメント欄にて

>90年前後はジャンプ一辺倒で、オルタナティブなマンガ雑誌がなかった」とあるけど、いわゆ
>る当時の青年誌がそれを担っていたんじゃないか

ほぼ同感です。
男性誌ならヤンマガヤンジャン、ヤンサンやなどジャンプとは別の青年誌や増刊、女性誌ならYOUNG YOUやROSE、amie、ぶーけなどにもいわゆるオルタナティブといえるようなマンガはありました。ただ、オルタナティブなだけのマンガ雑誌はなかったと思います。オルタナティブなマンガも内包するマンガ雑誌もあった、というのが実感としてあります。もちろん、何を持ってオルタナティブなマンガとするか意見が分かれるところだと思いますが…。

たとえば、南Q太は1990年、アフタヌーン(創刊は1986年)でデビュー後、1994年、『ヤングジャンプ』新人賞に佳作入選してヤンジャンの増刊にも描いてましたよね。やまだないとは1987年ヤンマガでデビューしてます。その流れから1989年創刊したFEEL YOUNGや1997年に創刊したCUTiE COMIC(宝島社)には青年誌で活躍していた女性作家や、ガロで活躍していた女性作家(内田春菊魚喃キリコ安彦麻理絵山本ルンルンなど)が流れていきました。

その他、現代のイメージに近いサブカルマンガ雑誌といえば、高野文子を特集したコミックアレ!(マガジンハウス)は1994年創刊なども印象深いのでは。あとは少し前だと銀星倶楽部に…とかはじめるとキリがない。COM、ばく、ぱふなんて言い出すとね…。

ガロの昔の傑作マンガ発掘という意味ではガロではオートバイ少女もあったし、つげ義春無能の人が映画化されたことでつげ義春の特集もしてました。2回にわたって特集された水木しげるなども。読者欄を読むとわかりますが、90年代以前の長年の読者層とそれ以降では断絶があるように思います。
自分を含めて、そういった前世代のマンガの良さがわからないという層が出てきて、アングラな実験的なマンガの読み方を「特集」というかたちで提示していたのが90年代のガロだったように思います。
マンガとは別に同時代的な盛り上がりとして音楽にもそういった流れ(モンドとかね)はあったし、90年代というのは今思うと、昔のものも今のものも並列して整理されないまま投げ出された感があります。なので、TRiCKFiSHさんの言う、ポップ化していったというのに対して少し違和感がありました。時代の空気を読むとその時々、ガロはそういう新しいものを受け入れていく姿勢であっただけのように思います。また、それが真の意味での前衛だと思います。

この辺はあらためてまとめてみると面白いと思うので何か機会があったらちゃんと調べて書きたいですー。誰かどっかに書かせてくれないか。