吉田アミの日日ノ日キ

吉田アミが書きました。

料理のコツは愛情ではない

 昨日、人にインタビューしてたので夜寝たのが夜が遅く、21時くらいから死ぬほど眠くて、私など睡眠障害気味だから眠りが阻害されることがこの上なく苦痛なため、気を失うみたいに眠って、ふと起きたら夜中の3時過ぎであった。どうせなら朝まで眠って快調な日を送りたかったが無駄。仕方がないのでこんな夜更けに目覚めている誰かを探すみたいにネットを巡回していると、2006-11-05 - matakimika@d.hatenaの文章に出会い頭出合って、唸る。名文なんですけど…!
 もともと名文が多いサイトですが、男の無力感を言語化したら右に出るものいないなあーと。小説でも読むような気分で読んでしまった。ので、みなさんも読むように。

 ところで、料理ができないことを嘆く30男&女にアドバイスするならば、その答えは簡単。自分はダメだと落ち込んだ瞬間が変わり時。今後の健康のこととか考えると料理の一つでもできるようになっといた方がマシだし、なったほうが人生は豊かだし、外食するより健康的で経済的で悪いことはない。『美味しんぼ』さえ、うまそーと思える感性があるなら大丈夫。きっと、うまくなれます。どうすればいいかって? それは詳細なレシピ、すなわち、料理本と出会うこと。写真が多めで手順が細かく書かれているほど、良書です。こういうのって、実は買うのカッコワルイ、って思いがちですが、身近な人がよっぽどの料理上手でない限り、その技術なんて盗めるわけがない。できなくて、当たり前なんである。はじめから巧くいっちゃった人は身の程知らずか、天才かのどっちかです。対象を理解しようとしなければ愛されないように、じゃがいもとは何だ? 玉ねぎとがどんな性質? と理解しようとしなければ素材はあなたに悪意を返します。

 米を洗剤で洗っちゃったー、とか。きつね色がわかんなくって緑色のカレー作っちゃったー、とか。数あるトホホエピソードの問題はレシピの不在。知らなければそうなっちゃうのは仕方なし。よっぽど独創性のある料理を目指すアヴァンギャルディストならまだしも、そうじゃないなら、ギター練習するみたいにコードの一つから覚えなくっちゃあ万里の道も一歩から。
 んで、私がまったく料理できないという人にアドバイスするなら、どんな本があるかといえば、料理コーナーで鍋料理本をススメますね。まず、鍋ほど外で食べたら損する料理はないってのと、料理工程が単純っていうことで初心者でもとっかかりやすい。ここでネットの料理レシピを参考に…なんて思ったら大間違いだ! 最初の一歩から楽しすぎです。最初からそれが理解できるなんて思い上がるな。おまえは、塩少々がどれくらいなのか即答できるのか。わからないのにわかったふりをするのはおこがましくないのか。自分のレベルを良く知れ!と叱責。
 わからないのなら、知ればいい。そんだけだ。

 んで、もういっこいうと、基本調味料をケチると確実に料理は不味くなる。特に腕がないと思うなら最低限、基本調味料、そうだな、日本人なら塩、醤油、出汁、味噌、みりんあたりは高級食材屋でそろえるべし。間違ってもSHOP99とかで買うな。この値段でこの味がこのレベルだと直感的にわかるようになれば、いいが、最初は無理だし、基本をケチればそれだけの成果しか与えられないことを思い知るがいい。もうね、「すき焼きなんて所詮、この程度の味でしかない」とか最初ッから諦めてると宇野千代の提唱するすき焼きなんか、一生味わえないわけですよ。上等なものを知りたいなら料理に希望を持つことです。もちろん、コストの面なんか考えると専門家に任せたほうがいいような圧倒的な料理ってありますよ。例えば、ピザとかフランス料理とか蕎麦とか、まあ、いろいろ。それを食したいならば、食べ歩くほうが良い。しかし、それじゃあ毎日の食卓、家計が火の車。金持ちで、体調を無視するなら外食で腹を満たせばいいけれど、それじゃあ健康も財布にもキビシイ。それじゃあ、不味し!&貧しすぎるでしょ?

 高山なおみシェフの料理とか堀井和子の料理とか、すごいですよ? 玉ねぎをオーブンで焼いて、塩で食べるだけーとか言いますから。えーそれって…??? 食材と調味料さえ高級。時間さえ暇なければ、びっくりするほど単純にうまいものが食える。それだって、立派な料理だ。ネットなんかだと、鳥ハムとか塩豚とかあるけど、あれだって同じ。何かを犠牲(時間か金か)にすれば手に入るものなんだ。はじめっから、向田邦子が作るみたいな惣菜がピピッと作れると思ったら大間違い。残り物でもう一品なんて図々しい!所詮、それっぽいものしかできないよ。

 話、逸れますが私はこの感覚でハーブと紅茶を精油を理解した。ハーブは単体で手に入るものは全て飲み、本も専門書を何冊も買い、それぞれがどういう効果で味かを知り尽くした上で、はじめてブレンドを行った。最初は基本から、それから自分なりに。紅茶も一時期は、農園名でどんな特徴があるのかわかるまでに到った。私は愛した対象を貪欲に知りたがってしまうのが特徴だ。このジャンルでこれが一番なのか? いつもそう思ってしまう。知らなければ定番をまず、抑えるし、その上で、やっと自分の感覚や直感が正しいのだと自信にも繋がる。中途半端にそれっぽいモノで諦めればその程度の効能しか得られない。本物を知りたければ、追え。追わぬ前から諦め、絶望するのは早すぎるのだ。そう、世界を知ったときに自分の選らんだそれが自分にとって、ものすごーく、かけがえのない好いモノだったと思えるなら、自分に自信も持てる。

 知れ。そして、行動せよ。

 知らないで、してしまったことを悔いる恥じ入る気持ちがあるならあなたは大丈夫だ。
 あなたは知る権利がある。
 あなたが望むなら、その、先を知れる。上昇できる。
 未来に、とんでもなくいいものが待っている。
 その希望を捨てなければ、必ず出会える。
 目の前の現実に諦め絶望しない限り、世界は開ける。
 世界はこんな程度だ、なんて思った瞬間にそこで可能性は閉じるのだ。
 閉じたのは自分自身だ。
 この程度の世界で良いと諦めたのは自分だ。
 だったら、その世界で遊べ。そして、自分を責めなくったっていい。
 あなたはその世界に許されてる。
 文句を言うなら、望め、挑め。甘んじるな。
 甘んじる、を選んだのは自分なら、そこで何を恥じ入る必要があるだろうか?
 何と比べて恥と知るのか?
 身の丈にあった幸福を望むことが不幸なわけ、ない。
 その謙虚さは褒められはしても、決して、見下されるわけはない。
 そんな浅はかな何かで、誰を貶める人のほうが不幸だ。
 幸せを感じられる範囲で、幸せならその幸せに優劣なんてない。
 感じるままに。それが、良い。それで、良い。それだけだ。

 自分が信じるものが他人から見て幻想だろうがなんだろうが、自分がそれで良いのならそれは自分の現実だ。私に見えるその花が、薔薇であっても、あなたに見えるその花が、血だまりであっても、同じように美しいと感じるのなら、それはあなたの真実だ。

 自分が望み、見たいものしか、世界は用意してくれない。

 世界は残酷で、だからこそ、美しい
 夢をみなければ、はじまらない。
 夢をみなければ、つまらない。
 どうせなら、私は美しい夢が見たいだけだ。

 そのためには、対象を知ること。
 そのためには、恥を捨て、知ること。
 間違っても自分の勝手な思いで、相手を知った気になれば、世界はそこでお終い。自分で設定したルール以上に世界は広がらない。それでいいなら、諦める。簡単なことだ。


 それでも、と自ら歩みだすなら?

 私はその一歩を拍手する。それを笑う者を見下す。それだけだ。私は美しいものを見たい。出合いたい欲深き人である。まだまだ、足りない。まだまだ、次を希望する。祈る。行動する。そこから見える景色が知りたい。知りたいから生きられる。その姿を醜いと思う人もいれば、その姿を美しいと思う人もいる。それだけでしかない。