吉田アミの日日ノ日キ

吉田アミが書きました。

月曜午前中

 の会議やらさまざまに必要だったのでいろいろやったり調べたり、上野のこども国会図書館へ行って以前より調べていた絵本の名作を総なめにしてきました。ちなみに今、『北欧からのおくりもの』という北欧絵本&児童文学特集がやってますよー。私がおりに触れススめてるトールモー・ハウゲンの児童書も展示してあり、あまりのダークネスさに唖然としました。私が子供なら、泣く。ほんと怖いわ〜。
 http://www.kodomo.go.jp/event/exb/bnum/tenji2006-02.html

 基本を押さえてこようというわけで、松谷みよ子五味太郎せなけいこ馬場のぼるスズキコージかこさとし長新太ブルーナなどを中心に読んでましたが途中で男の子と女の子の違いとか性教育絵本に気をとられまくったりしていました。有名な絵本で評価も高いんだけど、読んだことなかった『もりのなか』という絵本がじっくり良かったです。スズキコージの『きゅうりさんあぶないよ』とか長新太『ごろごろ にゃーん』などナンセンス絵本も楽しいのですが私が絵本ってこういうのだなあーと思う王道・絵本という気がしました。なぜかはわかりませんが。もうちょっと、じっくりいろいろ読み直してみたいところです。独特の言語感覚などうなるものがありました。松谷みよ子の「まあー」とか。まあーって。普段使いにしたいです。まあー。
 私が良い、と思う絵本は言葉が研ぎ澄まされまくって単音の世界。ハーモニーなどはないのです。単純な音のみの組み合わせみたいな世界で伝えたいことはひとつくらいの意味で良い。そして、その事象にあまり意味がない。ただ、ある、みたいなもの、確かなメッセージがある絵本が良い本だと思いました。絵本に限らず、子ども向けに作られた作品は「良く」なければいけない、と私は考えていてそういう良いの基準なんてないだろうと思われるかも知れませんが、実は、良いはあるのです。また、良いと好いは違うわけで圧倒的に悪くはない良いが子どもには届けられるべきでしょう。そのためにはシンプルでなくてはならない。対象に届くように描かれていなければならない。その上で、好きがあるべきだと思う。

 ちなみに私が死ぬほど好きで読むたびにのけぞってしまうのが、せなけいこかこさとしかこさとしの『ことばのべんきょう』が好きで好きで。あれには物語らしい物語がないので自分なりにストーリーやセリフを考えて読んでいてそれが未だに覚えていたりする。他にも好きで繰り返し読みまくったのは『マザーグースのうた』とブルーナの『ミッフィー』シリーズですな。完全に血肉になっている。水木しげる先生もそうですけど、どう考えたって悪い方向に行かなそうな安心できる絵本はホッとします。同じような意味だと『テレタビーズ』ものけぞりました。ありゃ、幼児向けテレビだけどなー。