吉田アミの日日ノ日キ

吉田アミが書きました。

がくえんゆーとぴあ まなびストレート!第10話観ましたよ〜。

 ちゃくちゃくと設定資料集、ufotable近藤光氏インタビューなど手に入れ、情報収集している吉田ですよこんにちは。無駄な情熱ばかりを過剰に。もう段々、この作品自体の接し方&見方がほとんど『逆境ナイン』のノリになってきました。なってる場合じゃないですが。集中線をやたら背負いながら吼えたい気分です。

 スェーデンに行っていたためリアルタイムで鑑賞できず遅れましたが感想を書いてみたいと思います。

 がくえんゆーとぴあ まなびストレート!
 もう誰が書いたってそんなことどうでもいいけど、

 視聴覚室のみかんちゃん。いきなり投げやりです!それくらい70%の署名はままならなかったわけですがーここで「奇跡」来ました!というか「事故」を「奇跡」に変えたわけですが。しかも無理矢理…。かなり無理がある設定です。いきなり時計台爆破。大きなのっぽの古時計の妖精さんが!という学美ちゃんのレジスタンスは前回の桃ちゃんを模倣。学美ちゃんは「変える」ことだけにしか興味がないのです。感じさせて、人を動かす。使命を果たすためなら嘘も方便。もう綺麗事なんて言ってらんないとこまで来てるんだよ!の切迫感。逆境です。逆境。22%を70%にまで増やさなければならない。燃える展開です。

 「そこまでしてやる必要あるの学園祭」という生徒会以外の学徒のみなさんの意見は一致の方向、変えられるのか? 芽生ちゃんの指摘…意訳すると「仲間と何かを作った経験がなければその良さを理解できない。昔の自分はあっち側だったけど、今は違う」を補うかたちで冒頭の事故が生かされるかたちになります。関心のなかった生徒達を学美ちゃんの無条件の信じる力のみで無理矢理参加させてしまうのです。で、やってみると「楽しい〜」という気持ちを引き出せたという事実を人質に署名を集める…という方法。で、もともと学徒のみなさんは浮動層で自発的に何かを作り出していくよりも数ある「楽しい」からもっとも楽で楽しくさせてくれる何かを期待してるだけ。その何かとはこういってはなんですが何だって良かった。だからこそ前回のように新しい制服や校歌に簡単に目移りしてしまうのです。その特性がある「その他大勢」のみなさんだからこそ、一度、関わってしまえば好意的になってくれるというWeb2.0における心理作戦のようなものが展開されております。

 梅田望夫の言うところの

「ネット上の不特定多数の人々(や企業)を、受動的なサービス享受者ではなく能動的な表現者と認めて積極的に巻き込んでいくための技術やサービス開発姿勢」

これですな。そのための禊としてまず、一つプロジェクト「古い寮の改装」をやってみる。一度、少数精鋭でチャレンジした「生徒会室の改装」を大々的に広げるかたちで。みかんちゃんもその様子を見て「学園祭みたい…」と感想を漏らすように、この作品の言うところの学園祭とは「仲間と一緒に何かを作り出す楽しさ」だとわかります。そして、それが「わくわくやきらきら」なんだ、と。
 古時計妖精さん事件、桃ちゃんの放送室占拠騒動は言ってみればプロパガンダ。プロジェクトを動かすためにドラマチックな宣伝を行ったと考えられます。ちょっとずつ今まであった出来事が大きな流れに倍掛けされながら「学園祭」という成果物を得るためにちょっとずつ今までの出来事が影響しながら進んでいくカンジ。

 で、学美ちゃんは今回、はじめて*1涙を見せるわけですが、私はずっと「いつ泣くんだろうなー」と気にしていたので、今回さらっと見せた学美ちゃんの涙を観て、この子はこういう子なのか〜リーダーとして正解だなあと思いました。メンバーを不安にさせるような涙や感傷的な女の子らしい涙ではなかった。「行ける!」と確信した瞬間に出た嬉し涙。「信じて良かった。間違ってなかった」という安堵。地味な演出だけどグッと効たな。私は気がついてしまったけど、これは本当にさらっと流して気がつかないでいて欲しいだけどね。

 一度も人を疑うところを見せない。だから人は安心して動ける。この人についていったら何か今まで味わったことないけどわくわくやきらきらを得られるんじゃないだろうかという期待。夢を理想を現実に近づけるために自分たちにできることは…かなりあるという状況。そして関わっちゃう。そりゃ、署名するわ。そこまでしておいて否定したら、関わった自分を否定することにもなるからね。

 さて、一般の学徒のみなさんと視聴者の視線は同じか近いと書いていましたが、ここでちょっと違和が生まれたのではないだろうか。「仲間と何かを作った経験がなければその良さを理解できない。昔の自分はあっち側だったけど、今は違う」とあらかじめ芽生に言わせていることで

「素直に学園祭をやろうと思えないのはもしかして、自分にそういう経験がないからなんじゃ…」

と不安にさせるという(!!)けっこうなエゲツなさな気さえしますが、今、残りの24%と未だにこのまなびにノレない視聴者は重なります。しかも、ちょっと後ろめたい気持ちにさせちゃうところが!!!善だけで動いてる作品じゃないという気がしてイイですね!
 そんなわけで、学美ちゃんは「お菓子もあるから」と一般学徒のみなさんに声をかけるのです。なんか、このお菓子ってのが「萌えもあるから」と言われているような気がしたのは私の気のせいでしょうかっ!もう、段々、冒頭いに引用したよーな「もう誰が書いたってそんなことどうでもいいけど」的な状況になっちゃってるよ!っていうのが今回の話だったよーな。

 あと、演劇部の部長のTシャツにはあざとく「人望」と書いてあるのがすべてをものがたってますな。確かに人望がなきゃあプロジェクトは動きません。実績のないチームに金を出すには信頼が必要なのです…。そして、それができると言うのをお兄ちゃん経由で訊いていたと思わしき愛洸学園の園長先生の手腕は確かといえるでしょう。愛洸学園長先生は学美ちゃんが殴りこみにきた時『逆境ナイン』の校長先生のようなモノローグを思っていたに違いないのです…。

校長先生「口先だけではわしは納得せんぞ。」
不屈闘志「承知!! とっ、10日間あれば……証拠を見せてごらんにいれましょう……」
校長先生(ふふふ、いいぞいいぞ。その目その汗そのふるえ……命をはってしゃべっておるなこいつ……

逆境ナイン(1)』島本和彦

 
 とんだサディストだ!!!


 ……こ、これでやっと人の感想が読める!!!!!!!!!!かぶってませんように!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

*1:間違ってました!!!!トラックバックhttp://d.hatena.ne.jp/throat/20070314ツッコミあり。