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書店POPの描き方(その1)

自分

 こんにつわ。吉田です。突然ですがきょーは書店POPの描き方を誰にも頼まれていないのに書こうと思います。
 
 このサイトの読者のみなさまは当然ながら7月7日発売された拙著『サマースプリング』はお買い求めいただいたことと思います(買ってなかったらとりあえずなくならないうちに買ってください)。ネットからの売り上げがなかなかだったようで、要するに「熱心なファンは買っている」という状況だと思われます。しかし、裏返せば「知らない人にアピールできていると言い難い」状態だと思います。一部、書店(太田ということもありサブカルが強いところではけっこう売ってもらってる模様)やレコード店などでは、未だにバーンと置いてもらっているますが、いかんせんまったく宣伝していないので、ゲラゲラ笑えるほど売れているわけではないです。はっきりいって出版不況。今どき、なんの後ろ盾もコネもない新人の小説1冊本が出たくらいで家が買えるようなこともなく、ふつうに考えたら地道に就職して働く方が生涯年収は多い時代。よっぽどの強い動機がない限り、本なんか出すもんじゃないですよ!ということは書き手で一度でも本を出したことがある人ならご理解いただけると思います。
 んなわけで、少しでも、知らない人に手にとってもらおう!ということで、販促としてPOPをたくさん描きましたので今回、そろそろ書店でも消えていく頃でしょうと見計らって一挙公開したいと思います!
 
 さて、私ですがPOPを今までに描いた経験は皆無。思い起こせば前に働いていた会社で商品POPを作った経験がありますが、それとはまるで180°も違う今回。編集者から送られてきた金銀白のマーカーとカードを前に何をどうしていいのか途方に暮れました。書店POP自体は興味があってよく見ているタイプの私。パッと浮かんだのはヴィレッジヴァンガードのPOPでした。確かに、ヴィレヴァンのPOPはうまい!実際に私のPOPを読者の方が撮って送ってくれたので、紹介しましょうー。
 
 
 
 
 う、うまい!なんかよくわからないけど、読みたくなる気がする!
 
 POPのパターンって、2種類あると思うんですが…
 
 有名な作者の場合なら、読者への語りかけ。あの作者にこんな一面が…的な意外性で客をゲット!
 
 か
 
 無名な作者の場合。てめぇのことなんか知らないけど内容が面白そうだから買うよ!でご購入〜
 
 の流れですよね? ヴィレッジヴァンガードは確実に後者のPOPが多い。読者ターゲットがまだ、知らない人に対して広がっていると思うのです。そこが、あざとく感じたり、負けた!と感じたりする理由なんですが、私のような若輩者が作者様ぶってPOPを描いたらめっちゃ寒いじゃないですか!それは避けたい。

ダメな例>アミの本音。良かったら買ってくださいね(はーと)

 内容の説明になってない上、おまえ誰だよというつっこみが速攻で入る。この手のファン抱き込み式が効力を発揮するのは「アイドル写真集」のみといえる。自分を擬動物化したうさぎか猫の絵で目が><とかなってるのを入れると効果的である。女性読者は即スルー。
 

ダメな例2>てきとうに書いたら本が出ちゃった。酷評はダメ!絶対ダメ!

 これも一気にやる気が失せる。片手間で書いていることがカコイイ!ていつの80年代ですか?と速攻突っ込まれる例。誰でも発表できるこの時代。覚悟がないのに出すんじゃねえ。
 

ダメな例3>傑作ではないですがそこそこオモシロイです…。

 じゃあ、出すなよ!自分でオモシロイって胸はれるもん書けよ!ぬるいよ!ぬるいよ!傑作だと思うモノを書けよ!作者が良いって思ってないモン出すなーーー!
 
 何ツー感じで、要は新人でまだ知られていない作者が「上から目線」「内輪ノリ」「自嘲/自虐ネタ」は厳禁です。これが、著名な作者だった場合「あら、謙虚ねえ〜」「じゅうぶん売れてるくせに(笑)」「今回は肩の力を抜いてサクッと読めそう。」などわりといい効果になる可能性が。どうしても他者評価と自己評価はズレがちなもの。他者評価と自己評価がズレればズレるほど、人は相手に「サムい」という印象を持つものです。寒さを売りにするのも一つの手ではありますが、そうするには露出が少なすぎる!というわけで、ヴィレヴァン式POPを採用したわけです。しかし、ヴィレヴァン的なPOPを描くセンスは私にはない。ならばどうすれば…。
 
 と、ここまで書いて長くなってきましたのでこれは続きは次号!次からは実際のPOPを見ながら説明していきたいと思います。ご期待ください!