吉田アミの日日ノ日キ

吉田アミが書きました。

睡眠向上委員会

 私の睡眠は雑だ。
 
 眠るギリギリまで何かをしていないと不安である。寝た瞬間に死ぬとでも思い込んでいる節がある。暗闇が怖い。眠る瞬間を意識したくない。それが怖くて酒を呑んでいた。寝酒は逃避だ。氷果ワインみたいどろり黄色く染み込んでくる。
 
 高校生の頃は親の睡眠薬を盗んで勝手に飲んでいたのだがあの、暴力的な眠りを無意識で目指していたような気がする。頭の後ろをぶったたかれ、前後不覚に思い出せず気がつけば時計が進んでいる。タイムリープ、タイムワープの感覚ってコレで補完できる。夢さえもみない。白紙の眠りだ。数分間、日中唐突に居ても立ってもいられず、意識を失くす時、日常の断絶。永延の寸断。ドッ、ガッ、無音。なわけなんだけどあの前のめりの針飛びレコードな記憶の粉砕は前後不覚で、一時、純粋な覚醒状態、即ち!透明な頭脳になった気がしてしまう。雑味のない正月みたいな空のようなクリアさ。ノイズのないサイン波みたいな気分。すぐに、濁ってしまうのは知っているけれど、その一瞬の奇跡を信じてしまう。凪から泡。薄くくぐもって重く沈殿していくためだけに。また、頭のまわりには綿菓子みたいなもくもくがまとわりついてくる。払いのけてもまたまとわりついてくる。もくもくもやもや視界は不明瞭で右目の奥が鈍く痛む。蛍光灯の光ばかりが目映い。で、ざらつく血液が頸の後ろをジジジジと音。脳天にストロー刺されて飲まれていく。耳鳴り。
 
 なわけだけど、こんなことは期待していない。こんなことは望んでいなかったのに。現状ではそうだ。何処で間違えた。枝葉の小道を。少しだけ明るさを頼りに。気づけば彩度ゼロの泥のような漆黒だ。これは困った。で、忘れるために呑むのだ。胃の痛みも消える。繊細さは鈍さが誤魔化してくれるから。
 
 濾過する必要があったのだ。
 
 具体的に何をしたかというと、
 
 ・部屋の電気を蛍光灯に変える
 →今までひっじょーに薄暗い白熱灯であった。暗くする=寝る時間。明るくする=起きる時間と認識させるために。
 ・布団と枕を変えた
 →とにかく敷き布団の劣化が問題。他人の家だと異様に眠れることから問題が発覚。 
 ・アイマス
 →暗闇と適度な湿度と重さを瞼に。 
 ・パソコンの電源を切る
 →光で起きるから。 
 ・ラベンダーのオイル
 →アロマテラピーにはまっていた時は異様に体調良かったことを思い出し、睡眠用に購入。
 ・睡眠導入剤の導入
 →最近はそこまででもないので、グッスミンとかホットミルク、ハーブティで代用するのが目標。
 
 などだ。睡眠に不満を覚える人は試してみることをオススメする。
 他にオススメがあったら教えてください。工夫したい。