吉田アミの日日ノ日キ

吉田アミが書きました。

原稿の直し待ってる間に

 日記でも書くか。うおーさっきケーキ2個食べたせいで胃がもたれてる。酒飲みすぎってのもあるが。前は楽しいことがあるとそのあと会社行かなきゃならないことを思い出してしくしく泣いて落ち込んでいたが今は楽しいだけですんでるので得したね。

 昨日はコボカフェのオープニングイベント数分のみ参加(スゴイ人!うわ憧れのあの人がっ!悶絶しばし)→エクス・ポイベントで雨宮まみさんと鈴木謙介君と編集の田口君の4人でトーク。客が大好きだというようなことをしゃべった気がする。有名税ってやつだって言われるかもしれないけどさ、鈴木謙介君が「いやだ」っていってたことで「自分が批判されることは甘んじるけど関係のない家族にまで罵詈雑言が浴びせられるのは苦痛だ」って言ってましたが、ほんとそれは私もいやだなあって思って、心底、同情したよ。苦痛だと思うのは正常だし、そこで無関心になるとか、スルーするとかいうのは防衛法の一つだけど、嫌ですは表明しないとわかってもらえないと思う。耐性のない人はすごく傷つくかもという想像力は持っていて欲しいなあというのは、所詮、希求でしかないけど、あるよね。もちろん、誰も傷つかない表現なんてこの世にはないんだけど。でも、人間の直しようのない部分の指摘とかって、無駄な気がする。私はそういう人は軽蔑するし、なるべく関わりあいたくないな。つらくなるから。無理してまで、何かを訴えかける時間があるなら、自分が求められていることで、何かをするほうがずっと建設的だよとか、最近はよく思うようになってきた。

あと、DJもやった。けど、人がたくさんいすぎてほとんど聞こえず。音を調整するたびに、チャーリーがPAの調節をしてくれて、ローディーなみに使うなと突っ込まれていた気がしたが、気にしません。ありがとう。

とうとう『童貞。をプロデュース松江哲明君にも会えて嬉しかったです。『パンドラ』でも一緒に載ってて変な感じするよね。あとは編集者、ライター、マンガ家の巣窟で「あ!」と手を上げると同時に3人くらい振り向くという加熱空間でした。いっきに挨拶できて良かったよ。あとは大谷能生にたかりまくって酒をおごらせまくったりしていました。鈴木謙介君とよしおはフリースタイルでラップしまくってて妙に意気投合してたね。いい年した大人なのに。よしおは30分くらい私の書いた『サマースプリング』の良さについて、褒めまくってくれたのでいい気分になれました。もっと公で褒めて欲しいよね!どうせなら。そんなよしおも絶賛の『サマースプリング』よろしくお願いします!まだまだ売りたい年頃です。

 次のエクス・ポでもマンガを描いてる『日常』のあらゐけいいち先生とも久しぶりに会った。ちょうどコミックビームで『ききみみ図鑑』を好評連載中の新人マンガ家の宮田紘次君もきていたので紹介してみたり。宮田君には文学フリマで売るミニコミの表紙を描いてもらってそのときに、原稿渡してもらったのだけど、めちゃくちゃ女の子がかわいくて、悶死。ご期待ください。

 その後、打ち上げだったが1時ごろ解散になり途方に暮れそうになった瞬間になんとなく思い出して、講談社BOXの担当編集のN崎さんに電話をしたんだけどさすがに酒も出さないカフェのイベントだからもう解散してるだろうと思ってワン切りした直後、速攻で折り返し電話が来てまだ、ヤッテルヨ!というので、タクシーで向かいました。雨宮さんがタクシー代をおごってくれた…!つーか酔っぱらってたので、心配されたのかも。みんな雨宮さんの優しさとか褒めたほうがいいよ。

 コボカフェに戻ってきたらけっこうな数が残っていて、それだけならまだしもすごい数の酒が並んでおり、みんなけっこうべろべろに酔っ払っていたので私も負けじとしこたま飲んだ。なんかほんとうに学園祭みたいなムードで、すごくいい雰囲気だった。太田さんの人柄もあると思うけど、これだけいろんな作家に好かれている編集者って、すごいよな。みんなニコニコわいわいしていたので自分も気分が良くなった。ほとんど初対面の人ばっかりでちょうアウェイだったのに(笑)。きてると思ってた友達が全然、いなくて最初、所在がなかったけど、すぐに打ち解けられたというか、これも編集スタッフの人柄だよな。ほんとBOXのスタッフはすっごい感じいいんだよね。特に女子編集がかわいいのでなんか見てるだけで癒される。けど、仕事はきっちりしてて、頼もしい。場所を提供された渡辺浩弐さんが優しいお兄さんだったよ。あと覆面作家のXさんも開店時より最後まで残留していた!最近、実はものすごく良く会うのだ。もうすぐ、boxから新刊でるので楽しみにしてます。内容ちらっと聞いてるがそうとうヤバイ作品っぽいよ。あと、マンガ家の小林尽さんとしゃべったのでファンの友達にあとで自慢した(笑)。
肩書きとか有名とか権威とかどうでもいいことで相手を見ないでただ単純に楽しく盛り上がっていたのが楽しかったな。まあ、年代的に同じくらいの年の人が多かったってのもあるかもしれないけど。でも、あとで「さっきの人は乙一先生だよ!」とか言われてビビった。うへえ。ぜんぜん、知らないでしゃべってたよ。だって、作家なんて顔わかんないじゃん!ってなわけで、その楽しい模様の一部は

http://www.gtvnet.co.jp/k-cafe01/blog/diary.cgi

からどうぞ! 確かにここでは何か新しいものが生まれる予感がします。良い土壌だと思うし、作家同士がいい感じで影響しあっていける場所があるってのは良いよ。何よりも今まで遠かった読者とその場で出会える場所を作るというのは考えるのは簡単だけど、実際やっちゃうってのはスゴイ。絶望してるばっかりじゃ腹は膨れません!っていう行動力があるのはさすが。つうか、自分ももっと頑張らなくちゃなあと、つくづく思います。こんなんで満足してちゃダメだよな〜。

でも、若干酔っ払いすぎたので、ご迷惑をかけた可能性も大ですが。楽しすぎて。いや、エクス・ポからコボカフェまですべてが楽しかった。私ああいう判断の基準がまだ、定まっていなくってごちゃごちゃしててわけわかんない手探りな状態が好きみたいだ。いろんな価値が拮抗してそれぞれが勝手に存在していてくれる状態にいると安心できる。なんか相手を殺すとかしないと生きていけないみたいに思いつめるのってつらいし、泣けてくる。多種多様な状態を良しと、甘んじる世界がいい。これしかない、正解を追い求めて、他人にもそれを強要させようとするのはなんか、宗教じみてて気持ち悪いし、鮮やかじゃないから美しいと思えないんだよね。いろいろあってそれでいいって、みつをじゃないけどさ。

そして、いろいろな人と話してみて創り手や送り手のパッションとピュアさがうれしかった。それぞれみんな必死でこれしかないいいものを創りたいと思って、妥協せずに何かを創ろうという姿勢がある人はほんと美しい。そういう人と仲良くしたいよ。動きやしゃべりに無駄や嘘がないというのは安心できるし、尊敬できるな。べたべたした馴れ合いとか苦手だけど、こういうイベントや場があることで、それぞれの人となりがわかって、仲良くできて、また、明日になったそれぞれがそれぞれの場所で闘っていくっていう、この世界に自分だけじゃなくって誰かがどこかで今、闘っているっていうのがものすごく自分の励みになる。適当に管巻いたりするけどさ、誠実に真摯に作品と向き合ってる誰かの幸せと成功は心底、祈らずにはおれないね。そして、自分もと思えるし、そうやって生まれた作品を甘受できる幸せがあるって、最高の幸せを受け手に届けられたらって考えるとやる気も出るよ。その場に安穏としないで、挑戦し続ける人がとても好きだし、応援したいな。

まあ、自分なんてまだまだすぎる青すぎる新人すぎるのすぎるすぎる最下層なので、理想を高く持って、地味に目の前の原稿を直すよ…。あ、メール来た。続きやるか…。なんとしてもこれを今日中に終わらせないと、次の原稿も調べ物がけっこう多いから、時間かかるんだよな…。努力は報われると思いたい!

この世で一番残酷な言葉は、「それみたことか。そんなものは無駄だ。やらなきゃ良かったんだよ」だと思う。それが無駄かどうかは、できてからはじめてわかることで、そういう判断を下せたということはそこに価値があるって思う考え方はできないものかね。無謀な挑戦、面白いじゃん。って思わないと新しいものなんて生まれてこないんじゃないのかな。