吉田アミの日日ノ日キ

吉田アミが書きました。

タナカカツキ「新装版 逆光の頃」

太田出版から発売されたカツキさんの『逆光の頃』の復刻に携わりました。復刻を企画した石川進吾さんと共にカツキさんとの鼎談に参加、注釈も書きました。長らく絶版になっており、7000円くらいプレミア付いておりました幻のデビュー作がついに……。感動で二の腕がぷるぷるします。

バカドリル』や『オッス!トン子ちゃん』『ブッチュ君』しか知らない人には驚きのりりかる・カツキワールド!

抒情破!

鈴木扇二や林静一森雅之が好きな人にはもちろんおすすめですが、

中高校生の甘酸っぱい何か


を思い起こしてうなりたい方にこそ、おすすめ。


夏、花火、京都、夜、少年、祭、天狗、学校………


この単語にピン!と来たら迷わず100クリック。駆け去る青春にさよなら。



ちなみに『逆光の頃』は講談社の「コミックモーニング」および「モーニングOPEN」(現モーニング)にて連載された作品です。今年は「ヤングマガジン」で連載されたロクニシコージ先生の『こぐまレンサ』など、結果的に講談社の復刻に2本も携わっています。不思議すぎる縁です。

80後半〜90年代というのは、女性誌も元気でしたが青年誌もヤバかった時期です。これまで青林堂の「ガロ」にしか載らないようなマイナーでクセのある作品が商業誌にばりばり載っており、その中でも抜きん出て新人発掘に力を入れていた講談社。え?あの人が?っていうような人がデビューしてます。「ガロ」の作家だと思ってる人多いけど、実は「モーニング」「アフタヌーン」「ヤングマガジン」なんですよという。大友克洋の「AKIRA」がヤンマガにいた頃です。

WebDICE連載の「マンガ漂流者(ドリフター)」では、鳩山郁子編の次にタナカカツキ編がスタートします。必然的に講談社の青年誌を調べることになりそうなのでお楽しみに。大友克洋目当てで増刊片っ端から買ってました。私の血の何パーセントかは講談社の青年誌で出来ていると言っても過言ではありません。燃える!

関連:タナカカツキの処女単行本『逆光の頃』が新装版として復刻、巻末には吉田アミとの座談会も - 書籍ニュース : CINRA.NET