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「フリースタイル」9でニューウェーブマンガ家特集

日記

楽しみにしていたフリースタイルが発売されていたので本屋にひとっ走り。
http://webfreestyle.com/shop/books.html#47

さっそく特集「1979 COMIC REVOLUTION ニューウェーブという時代」を読む。WebDICEの連載の
http://www.webdice.jp/dice/detail/1735/
http://www.webdice.jp/dice/detail/1751/

のあたりでニューウェーブについて触れていたので、読みながら答え合わせ的な感覚に。しかし、こちらは鳩山郁子を主軸としたものだったので、さわりだけしか書けなかったのだった。なので今回まとめてもらえてラッキー!キーワード辞典も便利です。さすがに自分でも調べてまとめてたので知ってることだらけだったけど(笑)。

連載では書かなかったけど「ニューウェーブ」という言葉は村上知彦が当時、好んでよく使っていて、「ニューウェーブ」の提唱者と書こうかと思ったりもしていたのですが、実際の初出が分からず断念していたのが心残りだったり。江口寿史浦沢直樹のインタビューで、DEVOが好きだったということで音楽の「ニューウェーブ」との関連も挙げられており、特集自体も「ニューウェーブとはこういうもの」という結論にはなっておらず、自分の原稿で提示した意見と相違がなかったので胸を撫で下ろしたりしておりました。ははは。

今更だけど、この「ニューウェーブ」という概念は分かりやすいし、キャッチーなので、いっそ定着するといいと思う。特に現在は「王道」と呼ばれる少年マンガがもてはやされる傾向で、ニューウェーブという大人向けマンガの旗色は悪かったりする。それこそ「ガロ」系と呼ばれるようなマンガが辿った末路のように……。多くの読者が「マンガ読みが好きそうなマンガですね、萌えとか皆無でサービス0だし。ケッ!お高くとまりやがって」と見下す前に。大人向けのマンガだってマンガだ。「マンガ読みが評価しやすい作品」=サービスがないという評価ではなく、ニューウェーブというカテゴライズで「大人向け作品」としての地位をもう一度、獲得してほしい。道徳的でない、悪いマンガだってマンガなんだよ。でないとマンガの多様性って何?とか思っちゃうのであった。やっぱご都合主義で展開が読める子供向けマンガって、正しいけど、ユーモアがない。誤解も生まれにくい。10人のうち8人は同じような感想を漏らしそう。一方で大人向けのマンガとはそれぞれ読者に自由度があるのあ良いところ。

編集後記で編集長の吉田保さんが「ニューウェーブが漫画の魅力を「絵」に戻したという江口氏の発言は、じつに注目すべきものだと思います」書いており、これにはすごく感動した。マンガの良さっていうのは絵だけでも物語だけでもセリフだけでもない。すべてが渾然一体となったところだと思う。70年代までのストーリーもののマンガのある種の窮屈さを突破したマンガの新しい波としての「ニューウェーブ」には可能性を感じるし、どんなに自由であっても良いのだという当たり前のことを思い出させてくれる。そんな「なんでもあり」な雰囲気が私は好きなのであった。

というわけで、当時を知る人も知らない人もマンガの「ニューウェーブ」入門としてはとっても良い特集です。ぜひぜひ、手にとってみてくださいーと、まったく関わっていないけどつい書いてしまうのであった。