吉田アミの日日ノ日キ

吉田アミが書きました。

身体欠損、欠落した感情。圧倒的に欠けているモノの言葉を聞く。新星、市川春子「虫と歌」の魅力【前編】

http://www.webdice.jp/dice/detail/2164/

ゼロ年代の終わりにやってきました圧倒的な才能を持った天才が!と早くも話題沸騰の市川春子に注目!高野文子岡田史子角川書店「ASUKA」「YOUNG ROSE」時代の大島弓子との親和性が取り沙汰されているが、少女マンガのマニアだけにちやほやされているのはもったいなすぎる!突飛な設定、デザインの秀逸、言葉の選び方のセンスに惑わされてうっとりするのも良い。しかし、魅力はそれだけではない!扱っているテーマは普遍性を満たしており、普段あまりマンガを読まない人のほうが彼女のマンガ文法にすんなりハマるだろう。実はかなり読みやすい工夫がなされているのだが、そのあたりの細かい話は来週に。

今回はまずは、作品の印象を語りつつ、まず、みなが思うであろう高野文子との共通性を語ってます。単行本では確かに高野との共通性を感じずにはおれないのですが(「ヴァイオライト」は鳩山郁子っぽい)実際、影響されているかどうかは分からないのです。もしかすると、まったく知らないで似ているだけな可能性も否めません。

なので、市川春子にインタビューしてみたい!

とか思ってしまうのでした。

そもそも、このマンガは前回のブレインズでも話しましたが、かなりの目利き!編集者の島田一志さんから「アミさんが好きそうなすごい新人がいる」と奨められたマンガ。島田さんの布教活動により太田克史さん(通称:Wカッシー)もハマり(笑)、私も単行本が出てからは人に奨めまくっているのでした。しかも、ブレインズの私の生徒のマンガ力とセンスはさすが私の授業に来るね、あんたらスゴイよ!と唸るだけあって、単行本が出るのを生徒に教えてもらう始末!「アフターヌーン」四季大賞時より水面下で盛り上がったものの、単行本が発売されていないために確認できなかったみなさん、お待たせしました!さあ、思う存分、読むがいい!というわけでした。

時々、こういった布教の輪が私の周りでは生まれます(笑)。好きそうな人にすすめてその人が好きになってくれるのが好きなの。

まあ、そんな私が奨めてるから面白い!と思ってもらわなくても、ぜんぜん書店でジャケ買いするのが正しいので、読んでみてもやーとしたら私の原稿もついでに読んでくださいという謙虚な気持ちです。気になる人は彼女のホームページhttp://ptpt.x0.to/pp/:TITLEにもマンガが掲載されているので、覗いてみてはいかがでしょうか、とお奨めしておきます。

なんだかんだで、連載も合計32回続いていますが、最近は感想をいただくことが多くてうれしい限り。長い道のりでしたが、続けてきて良かったですと、思えるようになりました。やっぱ、反応あると励みになります。