吉田アミの日日ノ日キ

吉田アミが書きました。

2016-06-02から1日間の記事一覧

二つになる一つのもの

ぼくたちはブレイクビーツを聴きながら、過去と現在の両方に耳を澄ます。そしてDJ は、フロアにおいて、そのようなブレイクビーツをいくつもいくつも接続させながら、それぞれの過去をさらにおおきな時間のなかに置きなおしてゆく。時には八時間以上も続けら…

声を発することがもつ暴力性、陵辱性と、声を人前にさらすことへの羞恥という両極性も、それらのことと無関係ではあるまい。

声の生命は、発し終えられた瞬間に、何の痕跡ものこさずに消えてしまうところにある。声を発することが、イヴェントになりうるのは、そのためだ。ことばは元来声であり、文字はことばから声を息を消し去ったから、空間に固定されて持続性を獲得したのだ。 声…