吉田アミの日日ノ日キ

吉田アミが書きました。

14時過ぎ。アマンスタジオへ。
一人、びくびくしながら地下鉄とバスを乗り継ぐが、またもや間違えたり道を行き過ぎたりでスタジオへ到着。
昨日のこともあるので、ヘッドフォンを外してやろうとクリストフは言うが、別に今日は、また違うふうに出来るかも知れないから、気にしないでやろうと言う。
今回はコンピュータのみで私の出音をクリストフがエディットして行くという方法であった。ウィーンの町のような寒々しい重いぼんやりとした音に。これはかなり私の好みの音であった。しかし、同時に前日の音とのコンビネーションを考えてすべての音をCDに入れると非常にバランスが悪いように思う。昨日の音はすべて捨てて、これのみでアルバムにしたいと思えてしまう。それほどこれはこれで出来が良かったし、アルバムとして聴くにはこっちの方がいいように思えたてしまい、そのようなことを伝えてしまった。これは良くなかった、とあとでわかったがこの時の私はそんなことはついぞ知らなかったのだ。

17時までレコーディングしていると、クラリネット奏者のカイがやってきた。クリストフとカイはこれからここでレコーディングするらしい。うーん、これもちゃんと先に訊ねておけばよかった。もうちょっと、音が出したかったと残念に思いながらホテルへ帰宅。ジャパニーズたちは今日、ホテルにチェックインしてくる。