吉田アミの日日ノ日キ

吉田アミが書きました。

「ちょう」という言葉をよく使う

最近、やたらと「ちょう」とか書くのだけどそれはなんでかというとなんとなく「ちょう」と言ったり書いたりすると小さく脱力できるからだ。いわずもがなこの「ちょう」とは「超」をひらがなにしたものだが、私はこの「超」という言葉が苦手だ。だが、便利だということも知っている。しかし、超では強すぎるのだ。そして絶対的な感じがするのが気に食わない。越えるという見下した態度も気に入らない。超を使っていいのは超人だけだ。人を馬鹿にするのもたいがいにしろと、超言いたい。
そんな私に微笑みかけるのは「ちょう」という文字だ。ちょうと書くと超面白いと書くよりもちょうオモシロイと書いた方がどこか人を小ばかにしたような小気味よさが生まれるというもの。ちょう面白いといいながらなんだかそのちょうがちょうしにのって浮かれている感じがする。
そもそも蝶なんてひらひらへらへらした曖昧な生き物がこの世にいるというが、あれはダメだ。私内絶滅指定生き物として広く認知されている。あれは絶滅しても困らない。むしろ積極的に絶滅すべきだと私は念じつづけている。蝶も蝶なんて虫らしさを前面に出したくちがくるくるした生き物らしさをアピールするのはやめて欲しい。やめるべきだ。断固やめるべきなのかもしれない。ちょうだ。ちょうなのだ。多分。これはキーワード登録レベルの話だ。だからちょうちょうとちょうちょのように関連付けているうちにこの「ちょう」さえもが憎たらしくなって、坊主にくけりゃ袈裟までニクイという図式が見えてきた。なんだ、結局、だめじゃないか。でも、ちょう使うけど。ちょうオモシロイから。ちょう見難いから。ちょう変だから。ひらひらしたまま、あいまいもこと、へらず口をたたきつづける「ちょう」を正式採用。共に。どうぞ、あなたも、お気に召しまして?