吉田アミの日日ノ日キ

吉田アミが書きました。

狂った芸術家が包丁を持って練り歩く

音楽とファッションとアートなどがないまぜごちゃまぜになったイベントに来ていた。友人知人などが出ているが私は出演してはおらず。出演者に好きな人が多いので観に来たのだ。かなりゆる目のイベントなので飛び入り参加も可か?などと期待しつつ。
2Fの暗がりのステージでライブなど。その外のスペースではピクニックのように人々が弁当を広げている。酔っ払った誰かが私の荷物の中に栓の開いたワインやらバーボンを忍ばせているのに気が付き、取り出した。知らない誰かにサンドイッチやチーズをすすめられ、食べたりする。ワインをイッキ飲み。
階段を下りて下に行くと、洋服の展示と販売。その奥にはプロレスのリングが真中にあってその周りを人々がめいめい座ってリングの上を見つめている。そこではアート関係の催しが行われているらしい。
私はぐるりと囲んだ場所の空いてるところに座る。となりに何故かスチャダラパーBOSEがいて盛り上がる(願望?本人にはあまり興味ないはずなんだけど)。
そこへくるくると狂った女の人が乱入。手には包丁。場内は騒然。あきらかに頭のおかしいおばさんなのだが、アート?事件?どっち?みたいな緊張感が漲る。身を強張らせ息をひそめておばさんの通過を待つ。ぐるり、リングを一周したおばさんは奥の柱に隠れて、一瞬、現われ、その場に居合わせた着ぐるみの人をぶすり。包丁は着ぐるみに刺さってる。着ぐるみの人はその場に倒れる。やっぱりただのキチガイじゃないか!と場内大騒然。阿鼻叫喚。取り押さえられるおばさん。しかし、もしかするとこれもすべてがパフォーマンスの可能性もあると疑う。第一、着ぐるみだったら身のところまで包丁が達してないかも知れないし。吹き出た血はフェイクかも知れないし。ふと、その辺に落ちていた今日の催しについて書かれたパンフレットを手に入れる。そこに、あのおばさんのことも書いてあった。
要約すると・・・
おばさんは精神異常者であるがすばらしい作品(人を殺す絵)を作っている。そのおばさんを発見した芸術家が今回、このイベントの目玉としてひっぱり出してきた。当日はおばさんの考えたパフォーマンスを行います。
とのこと。
おいおい頭のおかしい人をいきなりこんなところにつれてきて何を考えているのやら。おかしいんじゃないかしかも。いくら作品がいいからっていったってそれと精神異常は別だ。押さえられない衝動が爆発しただけじゃないのか?今まで誰にも出会わぬ場所で一人きりだったので実害はなかっただけで、現在、事件になっているじゃないか。その証拠に警察はやってくる。
人々はどんどん現場から強制的に帰らされる。残った洋服だけがさみしそう。関係者や出演者は拘束だ。大変だなあ。と思う。