吉田アミの日日ノ日キ

吉田アミが書きました。

おとなは「謝罪しながら許しをあたえ」、子どもは「断罪しながら許しを乞う」

「まあいい。おれが悪かった。許す」という「謝罪」と「許し」の両方を彼に引き受けさせる根拠といえば、それは「自分がこの共同体のフルメンバーであるのだから、だれに責任があるかなんて問題ではない。じぶんが共同体を代表するという責任があるだけだ」という自らの立ち位置への認識なのだろうと思います。
 対して、「おまえが悪い」といいつのるひとは、じぶんがアウトサイダーで、無垢で正しいと思っているわけですが、そして自分の立ち位置に対してはほとんど関心が無く、その正しさをいつも「おとな」から補償されていないと我慢できないという意味で子どもであるわけです。
 つまり、おとなは「謝罪しながら許しをあたえ」、子どもは「断罪しながら許しを乞う」という関係にあるというわけです。


平川克美/「東京ファンティングキッズ」平川克美内田樹