吉田アミの日日ノ日キ

吉田アミが書きました。

10月はふたつある

というわけで、繁忙期が過ぎました。具体的にはカナダに行くため前倒しで仕事、マンガのランキング本へのコメントのため大量の資料読み&原稿、ブレインズ準備、WebDICE執筆、カナダから帰ってきてからすぐ「アジアン・ミーティング」、ブレインズという感じでめまぐるしい状態でしたが昨日のブレインズで一段落。

ちょっと無理をしすぎて、すでにカナダでもいつもの症状が出てしまいましたが薬とレッドブルで症状が劇的改善。まあ、ストレスもなかったというのもありすぐに症状が消えたことから油断。帰りの飛行機で機体トラブルのため、ミネアポリスに5時間足止め……。疲れ切って乗った飛行機の床が水浸しになっており(寝ておきてから気がついた……)
足元から冷えが。席を替えてもらうにも満席だったので無理だろうし、すでに残り5時間で到着。隣の席の人は雑誌などを床において、工夫していたのでまあ、それでなんとかなるか。今から移動するのもタルイしなあ。とそのまま我慢してしまった。でも、やっぱ席代えてもらえばよかったかな、と後悔もしている。そのせいで、心底疲れた。半日休んだものの、カナダの分の仕事は溜まっており、帰ってきても休めなかったので強行突破していたら、疲れで出る症状、謎の発疹が(ギャー)と風邪の初期症状。葛根湯飲んでまあ、半日寝たら復活!すぐにアジアンミーティングの日に。

用心のため、アジアンミーティングでは体調をセーブしつつ3日間のぞんだのですが、最終日に打ち上げが楽しくて朝まで飲んでしまい、そのあとそのままブレインズの準備をして授業へ。食欲わかず。ここ2日間、食べたのはサザエの刺身一切れとクラッカーとちょっとしたつまみのみだ。今回は内容と天候のせいで客は少なかったのですが割とまったり話ができ、それはすべて疲労しているから(笑)1回目の膨大な情報量に比べると聞きやすかったというのと、後半、さやわかさんに登場願い二人で話すとすっごい楽。話は西島大介先生とやっている「ひらめき☆マンガ学校」など。これまでの新人デビューとは異色の新人登竜門としての「マンガ学校」の存在意義など。流れとしては、新人の発掘・育成話でこれまで、雑誌別のマンガ賞が担っていた役割について、ジャンル、年代順を追って話してきました。

親睦会では、さやわかさんと「仕事量が多い割には金がない問題」などひとしきり愚痴ったり励ましあったり(笑)。まあ、好きでやってることなので文句を言っても仕方ない。今の苦労は未来の楽に繋がるのだと信じて、がんばるしかない。ちゃんと自分が良いと思うことは褒めていかないとモチベーション下がるからな。人のやっていることが良いと思ったら言葉にせねば。

力の入れ具合からやっと回りの反応も見えてきて、自分としてはこのまま突っ走れるという感触は最近持てている。これは幸せである。

今月は音楽に食わせてもらってる。おかしい。音楽で食えないからマンガ批評をと思ったのに。こっちで貧乏になってどうする!いやいや、でも。終わらないと納得できないのだから仕方ない。

少し前には昔から交流のあるキチガイ編集者・郡淳一郎さんからひっさしぶり激励の電話をもらい、コメント頼まれたりたのがうれしかった。ここ1年くらいの私の仕事、マンガ作家論で何をしようとしているのか、そして、その意義と意味について。そして、怒涛のサブカル宣言(笑)。ああ、確かにこういう人だったわー。いやあ、楽!私のブレなさ具合も確認できて、気が楽に。「うつ病にならないサブカルなんてサブカルじゃない!」「居心地が悪いと思っている少数派のための表現を」など、どうなんだかなあという話。

何よりも自分のやっていることが伝わっているのがうれしい。連載で取り上げた作家からの反応も教えていただいた。作者と編集者に「うれしい!」という反応がもらえているのは、時間かけたかいがあった。人と同じことをやっても仕方なし。別の作者の人には他にもメールで感想をもらい&情報をもらった。これもすごく励みになりました。

んで、ブレインズには「アジアンミーティング」にも来ていた方も来てくれていて、「音楽ファン皆無じゃないっすよ!」といわれてうれしかった。愚痴ってブログに書いてる場合ではない。ごめん!一人か二人に言われたことを気にしていつまでもぐちぐち悩んでいる場合ではない。言ったほうもそこまで深刻に考えているわけではないのだ。このあとまた、いくらでも出会いなおせばいいだけだ。

ほんっと、よく言われるのが音楽だけやってればいい、文章だけ書いていればいい、なんでマンガなんかやってるの?なんだけど、そんなの面白くないじゃんか。具体的にこれは数字で出ているので偏りで分かるし、客層などで分かる。そもそも15年近くやっている音楽とほとんどまともにやってない文章仕事が同じくらいの評価が出るほうが過大評価でしかないので、まあ、妥当といえば妥当だろうなあ。しかし、なぜかここに来て音楽の楽しさ再発見……でも、これって、文章書いたおかげでフィードバックされている。なので、自分の中では矛盾なく繋がっているのだから気にすることはないのだが。やっぱ、「どっちもやってるなんて、面白いね」といわれるほうがうれしいし、やる気が出る。そして、言われて実際、やる気が出た!一つのことだけに集中するのは確かに美徳であるが、そこまで即興演奏だけに時間は裂けられない。毎日、ライブがあるわけじゃないからね。外側からもう一度、見つめなおしているようなもんだからな。両方やらんと偏るのが怖い。言葉にできない表現と言葉でしかできない表現。言語化していかないと他人と共有できない。共感されないと不貞腐れていたくはないのだ。みんな言葉にしないなら自分が言葉にしないといかん。そして、言葉にすればそれだけ忘れられてやりたいことに集中できる。さらに広い自由がある。即興演奏のスタイルはすでに完成されている。成長を止めないにはどうすればいいのか。

と、思うのだが、これも共感されないのだろうか。まあ、前途のとおりサブカルだから多くの共感などされなくて当たり前だし、いままでも孤独だったのだから。期待しても仕方ない。だからこそ、人に出会え、共感してもらったとき、人一倍うれしいと思えるのだろう。杉浦日向子も「自分のやっていることはクラスで一人か二人にしか求められてないもの(大意)」と言ってたけど、「それでもそれを必要としている人が一人か二人でもいる限りやり続けるべきだ」と言ったのはうちの父親であるが。相手がほんとうに必要としているかどうかなんて分からないが、尊いお金を払ってくれる人がいるんだから。それがうれしかったことを忘れて慢心していてはならない。

でも、人の言ったことが気になりすぎたり、傷つきすぎるのって心が弱ってる証拠だよな。そして、体も弱っている。これがサブカルという病なのか!? 自意識過剰……。そういわれればそれまでだが、自意識過剰じゃない作り手なんていないと思うので、それをやる限り付きまとうもんじゃろう。うまくストレスを回避して、無理をしないようにしたい。とにかく、今日は休めと体と心が言っている気がする。持病の薬もう一錠追加。雨のおかげでアレルギーは治まっている。微熱。おなか痛い。でも、体が痛くて眠れん。アジアンミーティングの感想はのちほど。