吉田アミの日日ノ日キ

吉田アミが書きました。

「ラファエル・ローゼンダール “I’m good”」@Takuro Someya Contemporary Art(タクロウソメヤ コンテンポラリーアート)

http://www.web-across.com/todays/cnsa9a000004qi2f.html


ネット上で作品を発表しているラファエルの展示を観てきた。

http://a-i-t.net/modules/bulletin/article.php?storyid=127

ラファエルはまた、「ニーン(Neen)」と呼ばれるムーブメントにも関わっているのですが、その言葉の由来が面白いのです。
「ニーン」は、2000年にギリシャ人アーティストのミルトス・マネタスにより創設され、セカンドライフYoutubeなど、主にインターネット上で作品を発表しているグラフィックデザイナーやアーティスト、建築家などを指す造語です。

ミルトスはこのムーブメントに名前を付けるにあたり、「何の意味も持たない」言葉を作りたかったそうです。(略)
美術史を振り返ってみれば、インプレッショニズムやフォービズムなど、新しいアートの運動を指す言葉は、その多くが批評家やジャーナリストによって付けられてきましたが、「ニーン」は、美術史や批評とはまったく関係ない文脈で作られた言葉であることと、それを選択したのがアーティストであるという意味で、新たな方法論を呈示しています。
ラファエルは、ミルトスの「君ってニーンだね」という言葉をきっかけに、このムーブメントに属すことになったそうです。

最近の気分は「無意味」。そんなムードにぴったり。97年頃のインターネットにあったアートやデザインの新しさに狂喜していたころを思い出して興奮した。オーナーの染谷さんにいろいろと説明を受けながら鑑賞。リンク先に詳しく説明されているが、

ラファエルの作品は、その販売方法もまたユニークで、作品が載っているドメインそのものをコレクターに販売し、末尾を.comや.orgに変えることでエディションをつくったり、販売後も、「誰もが共有できる作品とする。」、という契約書を交わすなど、これまでのように「個人のコレクターに所有されることで、作品が日の目を見なくなる。」あるいは「10年に一度しか美術館で展示されない所蔵品。」としてではなく、常にアクセスが可能であり、誰の目にも触れること、という条件を保持しています。

という批評性も孕んでおりクール!染谷さんが「マンガ喫茶でも同じものが見れる」「INTERNET」と描いたドローイングを見て「ベタすぎない?」とラファエルに聞いたら「みんなが忘れてしまわないように書いた」と言っていたっていう話など印象的だった。「INTERNET」はTシャツにしてほしい!2/20迄。