吉田アミの日日ノ日キ

吉田アミが書きました。

うまれてはじめて職務質問された

最寄りの駅の近くで強盗殺人事件が起きたためローラー作戦中の刑事に呼び止められた。山さん的なルックスの刑事で訊かれた内容は火サスの想像の域を出ない質問だった。しかし、ローラー作戦ってホントに片っ端から訊くの、な。道行く人々をダムのようにせき止めて片っ端から尋問していく。
最後に「ご協力、感謝します!」とお決まりのことを言われたので私も負けじと「ごくろうさまです!」と笑顔で返して、花の香りでむせかえる血まみれになった店を通り過ぎた。状況証拠から察すると凶悪犯はこの町に住んでいる可能性が高いのでイヤだなあと思う。殺人なんか犯した人生なんてこれからロクなことも起きないだろうし、祟られたり呪われたりするに違いないのでさっさとお縄になればいいと、そう思った。