吉田アミの日日ノ日キ

吉田アミが書きました。

ポポロクロイスへの熱き思いのたけをぶつけてみようじゃないか

ポポロ、各所で話題になっているようですね。うれしいですなぁ。いわゆる神降臨っていうやつらしいですが、そんな作画ヲタでもない私が観ても楽しめる一話でした。私がポポロを一貫して好きな理由はキャラ設定がしっかりされていて、観ていて安心できるところなんですよね。お約束どおりにキャラが動くのが気持ちが良いというか。子供向けのアニメやマンガ、ゲームは第一に子供が楽しめるように作られていなければならない、と強く思うのでポポロのコンセプトや心意気が好きです。見ていると子供の頃のアニメに対する純粋なキモチが思い起こされて、郷愁にふけることができます。大人っていうのは子供の延長なんだよなーと、大人になった自覚がいまいち足りない自分に気が付くことができます。ポポロで泣いてるそんな自分が大好きですから、私なぞ。
細かな配慮、キャラ設定、複線が見事に無駄なく表現されていて完成度も高いです。久々にTVかじりつきのアニメなんですが私はすでにゲームや前作のアニメという素地がある。ピエトロのこともナルシアのこともガミガミのこともポポロに関係する町の人すべて知っている。タキネン村のテーマだっていつも頭にこだまする。ピノンにしても親戚のおばさんのように「ああ、アンタこんなに大きくなって〜」とおせっかいに見ている自分がいるわけで、まったく勉強がたりん人が面白いのかは実はよくわからなかったりする。
だから、ゲームもアニメも見たことのない人が面白いよ!と感想を書いていると少しホッとしたりするのです。思い入れが強すぎてちゃんと見ていないのかも…と評価が高まると不安になるので。

で、今んとこ思ってる感想でも書いておこう。ネタバレもあるし、ゲームもアニメも知らないから教えないで!って人は見んな!見ても良いけど怒っちゃイヤだよ。自己責任ちゅうことで4649。

前作のポポロクロイス物語ではゲームとは違い、風族のヒュウという存在がいて彼女とピエトロの逃避行ぶりは同棲時代のようなムードもあり、子供向き?と少なからずも違和感があったが、今回のポポロはよりゲームに近い感じである。と、いうかゲームをそのままアニメ!となっている話もあるくらいだ。精霊を助ける手順なんかマンマそれだしね。私はピノン主人公のゲームが好きではなかった。正直言って、失望さえしていた。ゲームのボリュームが少なすぎてピノンにもルナにも感情移入もできない宙ぶらりんなままなんとなく敵を倒して終わった。ピエトロがなんだかガキを制しすぎるのも気になったが、その時の思ったもやもやをアニメでは払拭してくれている。

王様になったピエトロ
幼少のみぎりから冒険にあけくれ、世界を何度も救った男。戦が好き。冒険が好き。蔦につたってやたらと城を抜け出していた彼はどんな逆境でも前向き。心底悪い人なんてこの世にはいるわけがない、と思っている。また、大きな挫折も経験せずに大人になった。どんなピンチも知恵と勇気と人を信じる心で切り抜けてきたのだ。完全無敵。正しい子供。優秀な子供。とてもよい子。その前向きさがその正しさが純粋さが周りの人間を魅了し、救った。

けれど、そんな完璧な子供が大人になったらどうなるんだろう?
「腹が減っては戦はできぬと言うからな、ガハッハ!」と笑う王様になった。当然、町は栄え城下町の人々は王・ピエトロを尊敬している。豊かな町、素晴らしい町、素敵な笑顔、幸せのいっぱい。でも、ほんとうにそれだけなんだろうか?
そんな偉大な父親の子供ピノンは卑屈な子供になってしまった。周りの期待、何をしても親と比較される子供。周りに居るのは大人ばかりで、友達も居ない。趣味は本を読むことだけで、学校にも行かず引きこもっている。誰もピノン本人のことを見ない。ピエトロの子供というだけの存在だ。ピエトロも自分が完璧であったために、ピノンのキモチにちっとも気が付かない。そんな瑣末な悩みがあるなんて、彼は気がつかないだろう。偉大な王様。理想の王様だから。
この子供は不幸だとはいえないだろうか。

ピノンは迷う。間違える。人との距離の取り方がわからない。人と関わることを怖がっていた。そこへ、ルナが現れた。彼女はポポロクロイスの住人ではない。ピエトロのことを偉大さなど知らない子供。なんの損得も考えずにピノンに接したはじめての人間の友達。ちなみにはじめての友達はパプー…。ってそれ、人間じゃないから。ルナは言いたいことをはっきり言う性格だ。ピノンの父親に対するいじげたキモチに気がつくとそんな態度にいらだちケンカになる。しかし、積極的なルナと消極的なピノンとはケンカにさえもならない。ルナが一方的に怒って、なんで自分がこんなに腹が立つのかわからないというまま、ルナはピノンの前から去った。ピノンはうなだれる。どうせ、他人だ。こんなことなら友達にならなければ良かったと思う。
そんなピノンはかわいそうな子供かな?

ピノンはレオナに「ケンカしたらまた仲直りすればいい」と教えられる。ピノンは気が付く。「そうか、ケンカしたら仲直りすることができるんだ!」と。ピノンとルナは仲直りする。ルナは自分が感情的になったことをわびる。ケンカする前より二人は仲良くなった。
ピノンはやっぱりかわいそうな子供?

これからピノンは外に出て様々な人と関わることにより、世界を知っていくのだろう。その過程が楽しみだ。そしていつか、ピエトロとは違うやさしい王様になるのだろうか。人の痛みがわかる子にそだって欲しい!と親戚のオバサンは想うのであった。

ポポロクロイスとはそういう話。

しかし、見ているとゲームや前作のアニメのエピソードが時折、フラッシュバックのように襲ってくる。前作の話ですごく好きだった話があってそれをすごく思い出す。その話は一人一人のキャラクターが自分の分身と遭遇し、自問自答するという自己開発セミナーみたいな話なんだけど、非常に印象的だった。ガミガミは物分りのいいロボットばかりを従えて、自分に都合のいいことを言う人しか周りに配置しない北朝鮮みたいだね、っていうことを指摘されるシーンがあったり、ナルシアは第二の人格・カイにうじうじした性格を糾弾されたり(ちなみにナルシアはここで自己統合されたようだった。それ以降、カイは現れなくなったし)する中で、まっ
たく迷いのないピエトロは将来にあるかもしれない可能性の一つである自分と出会う。勇者にもなれずただ、年を経て疲れきった年寄りである老人になったピエトロが人生を諦めてしまったとピエトロに伝える。こんなことならはじめから冒険など出なければ良かったというように…。しかし、それを訊いたピエトロは---「今まで見つからなくても明日見つかるかもしれないじゃない!だからぼくと一緒に冒険に行こう!」と誘うのである。それぞれのキャラがそれぞれに答えを見つけ出した時に、その迷いのサーカステントの魔法は破られる、という話なんだけど。なんかいろいろあって大人になったんだねーピエトロたちもーとか思い出したりしているわけですよ。私は。だからガミガミが子供育ててるの見てちょっと胸が熱くなったよ。うわー思い入れたっぷりすぎの文章ですね。

話は変わりますが、OPとED歌ってるルルティア、息も絶え絶えすぎ。喘いでるのか?カヒミ・カリィもまっつあおですよ。でも、買っちゃうんだろうなーCD。負けてる負けてる。ポポロの思う壺。というかタモさんの思う壺なんでありますが。すべてにおいてポポロには際限なく金を使っちゃう操作しやすい簡単な消費者に成り下がっております、自分は。自覚してるから放っておいてくれ。

ポポロクロイスリンク集
アニメ版 http://www.tv-tokyo.co.jp/anime/popolocrois/
ゲーム版 http://www.playstation.jp/scej/title/popolocrois/index.html

第6話キャプ
http://artifact-jp.com/mt/archives/200311/popolo06.html

反応リンク集作ろうかと思ったけど、たくさんありすぎるのでやめます…。

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※うろおぼえで書いてますのでまちがってたらごめんなさい。私の中で熟成してできたチーズのようなネタだと思え。