吉田アミの日日ノ日キ

吉田アミが書きました。

音楽家として

吉田アミは、フリー・インプロヴィゼーションと呼ばれるジャンルで活動してきたヴォイス・パフォーマーだが、ある時期以降、彼女の「声」は、他のいかなる「ヴォイス・パフォーマー」とも違ってきた。それは今や完全に「もの」と化してしまっており、ほとんど「吉田アミ」という個人とは無関係とさえ思えるほどである。およそ「人間」が行い得る営みとして、ここまで完璧に「内面」を払拭して、見事に「外部」へと出てしまった例は寡聞にして知らない。マイクロフォンというロウ・テクノロジーのみを使用して、「声=音」の外在化を達成した、奇跡的なケースである」
                           ——佐々木敦『(H)EAR——ポスト・サイレンスの諸相』(青土社


1976年生まれ。ヴォイス・パフォーマー/前衛家。超絶高音ハウリング・ヴォイス奏法の第一人者として知られる。97年にTAMARUのレーベル1040よりソロ・アルバム『spiritual voice』を発表。以降、ソロ、astro twin(Utah Kawasakiとのユニット)、cosmos(sachiko. Mとのユニット)や「Asian Beauty」名義で∞ループ乙女エレクトロニカを嗜む他、最強乙女ユニット・カリフォルニアドールズなどで活動中。

2003年、アルスエレクトロニカデジタル・ミュージック部門「astrotwin+cosmos」でゴールデンニカを受賞。
2003年、セルフ・プロデュースによるソロアルバム『虎鶫』を発表。同年、『astrotwin+cosmos』でアルスエレクトロニカ・デジタル・ミュージック部門のグランプリにあたるゴールデンニカを受賞。

*アルスエレクトロニカhttp://www.aec.at/en/index.asp):オーストリアのリンツで毎年9月上旬に開催される世界最大のメディア芸術の祭典。ゴールデンニカは同祭の各部門のグランプリにあたる。吉田アミ以外の日本人受賞者:デジタル・ミュージック部門=池田亮二、刀根康尚インタラクティブアート部門=坂本龍一岩井俊雄明和電機