吉田アミの日日ノ日キ

吉田アミが書きました。

第十四回 内田百門+月たん

幻想的なホラーからユーモアあふれる随筆、猫マニアとして有名な内田百門+月たんです。

内田 百門+月(うちだ・ひゃっけん)
小説家、随筆家。本名内田栄造。夏目漱石の門下の異才。別号、百鬼園。百間のペンネームは幼い頃に遊んだ百間川から。
昭和46年4月、82歳で没。

明治22(1889)年、造り酒屋志保屋の長男として岡山市古京町に生誕。東京帝大独文科を卒業。1922年(大正11)小説「冥土」で小説家となる。以後、陸軍士官学校、海軍機関学校、法政大学などで教鞭をとる。
明治に生まれ大正、昭和と活躍し、関東大震災東京大空襲も経験。
美食家で酒呑みで鉄道ファン、琴もつま弾き、そして無類の鳥好きでありながら猫狂いでもある。とにかく多芸、多趣味。

■映画
黒沢明監督「まぁだだよ」
鈴木清順監督映画「ツィゴイネルワイゼン」(原案:サラサーテの盤

■マンガ
山本直樹「眠り姫」(山高帽子)

※ひゃっけんの字が変換できないため、内田百聞、内田百門と表記する場合もある。ネットでひっかかりにくい。ちなみに会社のPC(Win)で変換したら一発で出た。統一して欲しい。

■人物紹介
http://www.libnet.pref.okayama.jp/person/uchidahyakken/hyakkenn-short.htm

私は内田百門+月たんの小説を全部読んでいないが、確信している。どの作品もまとめて全部好きだ。赤瀬川源平が百門+月たんの解説で「好きだと言うことがわかっているので一気に読んでしまうともったいない」というようなことを書いていてまさに自分のそれとぴしゃりと重なる。そんなカンジの接し方をしているわけだ。
作品の内容もそうだが、人物・百門+月たんにも萌えずにはをれまい。なにせ、ことりが大好きで「冬は襟巻きを鳥かごに巻いたので自分は寒くて外出に苦労した」り、大空襲の時に火炎に追われながらも目白の鳥籠を抱いて逃げおおせたという強者だ。まさに阿呆の鳥飼い。
エッセイ「ノラや」での猫狂いぶりも目をみはるものがある。ノラが家を出たきり帰ってこなくなった時はそりゃあもうタイヘンで、毎日毎日涙がかれることなく泣いて暮らしている様子が見て取れる。20日以上も顔を洗わず、一ヶ月以上風呂に入らず(風呂のフタを見るとノラを思い出してしまうので風呂に入れなかったからだ)ただメソメソやるわけだ。そんな百門+月たんに萌えざるをえない。

▲愛猫ノラのビラ。英文でも作り、ラジオ、新聞でも呼びかけた。

萌え度    ☆☆☆☆☆
異常動物愛度 ☆☆☆☆☆
粘着質度   ☆☆☆

サライ1996年第17号を参考にしました