吉田アミの日日ノ日キ

吉田アミが書きました。

大英博物館〜ベトナム料理

エゲレスといえば、大英博物館だろう。ツーといえばカーというほど至極まっとうなご意見。ロンドン橋だ蝋人形だフィッシュアンドチップスだなどという輩は放っておいて。飛び立つ鳩を尻目に入館。パルテノン神殿気取りのスタイリッシュな美術館。黒柳徹子がジャパンに大英博物館展がきたときに親善大使のような面持ちでやってたTV番組を頭の片隅で思い出しながら。うれしいことに入場料は無料。このへんは良い。私には評価する価値がある。ろれある〜。
入った途端に植民地支配の爪あとを感じる。殺気。恐怖。戦争でごっそり根こそぎお宝発掘うはうはざくざく高みから見下す視線。生首仏像。妬み。恨み。つらみ連なってる。宇波くんいわく「戦利品のようなものだから元でがかかっていない」と。ギリシアあたりとお宝返還にもめてるらしいがそりゃあそうだろう。北方領土の比でもなく、国宝一切合財持ってきちゃったんだから。なんとなく気が重くなる。挙句の果てにミイラ。マミーがいっぱい。マミーが自慢の博物館。あの世を生き返りを信じて埋葬されたのに今や客寄せパンダ。白日の元にさらされてる。無念だろうなあ。カタコンベでも骸骨の気持ちを考えたが今日はマミーの気分を考えた。塩辛みたいな味がするマミーの怨念。呪え。だからマミーは怪物だ。レベル何でぶっ殺せるんだっけ?ドラクエで。
ファラオの飾り品。すべてに意味が。生き返りを信じて待つスカラベ。飛び立つこともできずにガラスに封印。そういうものをずっと観て回る。多分、ここで、野球をしたらきっと大目玉。ガラスがガシャン!と出てくるカミナリさん。でも、そんなふうにやんちゃしたくなるよ。大英博物館って。この気持ち、わかるかな。
特別展で飛び出すミイラという催しがやっていたので、行くことに。上映時間まで20分ほどあったので、博物館内のカフェでお茶。フルーツタルトとコーヒー。案外とうまい。
6ポンドといささかお高めの入場料を払い、いざ、飛び出すミイラへ。3Dのへんてこメガネをかけてミイラの世界へタイムトラベルは楽し。宇波くんが殺人的に似合っていた、そのメガネ。
かけると、世界は立体的に。ああ、これ、ディズニーランドで観たよ。こういうの。マイケルジャクソンが関係してた映画。う〜んリアル。でも、なぜミイラを立体で観る必要が?必要不必要で言ったらどっち?そんなことを訊くのは愚問。
どんどこえらそうにミイラが歩み寄ってくる。私に迫る、はくりょくまんてん古代エジプト文字。青い。真実の目。ミイラのエックス線写真の中を猛スピードで走り抜けるカメラの視線。びゅーんと行く先は脳みそ。ミイラの作り方などを一通り。このミイラ君、ちょっとカワイソウなミイラでミイラ職人の失敗で死体の腐敗を防ぐために縫っていた液体の皿が頭にくっついてしまった。多分、樹液?かなんか粘度の高い液を塗っていたのだけど、それがぴたりと河童のお皿みたいに頭上に。なんて間抜け!で、慌てたミイラ職人がかなり乱暴に頭の皿をばりりばりりとはがそうと試みたが、あまりに、あまりに強固に固定されたため、ひっぱがすことができなかったそうです。死体の皮膚は少し裂けあきらめたそう。で、めんどうなのでばれないうちにとぐるぐるぐるぐると包帯巻いて埋葬しちゃったそうです。なんともおおらかな時代ですね!マミーもびっくりです。
大英博物館に行ったあと、その近くのイギリスのヴィレッジバンガードのようなところへ。直後、私の興味物と宇波くんの興味対象が見事にセパレート。宇波くんは狂ったように地底人コーナーを血眼になって捜していたので、私はひととおり店内をラウンド。マンガコーナーで落ち着いて、またもやロンドンのマンガ事情をチェック。俺は監査役か?と自問自答。しっかし、ハイスピードで英語化されてるよ、マンガ。三原ミツカズのDOOLとかちょう違和感なく、英語版になってましたよ。あと、フルバとかいろいろ。相変わらず根強い人気のセーラームーン。ブリーチもすでに英語化されてた。シャーマンキングはあったけど、ワンピースはなかった。まあ、たまたまだと思うけど。あずまんが大王のDVDもあった。うる星やつらはちょう当たり前にあります。攻殻機動隊も当然。で、そのうちニュータイプ英語版とか読んでて、フト!気がついて、何でジャパン人がジャパニメーション情報をエゲレスで仕入れなあかんのやー!と思い出し、本を閉じた。
そのあと近くでショッピング。練り歩き。宇波くんはお店の人に教えてもらったオカルト本屋へ向かった模様。私といえばウィンドウショッピングにとどまり、あまりの物価の高さに目を回しただけだった。そのあと、イギリスの建築を歴史を追ってみることのできる美術館へ。曇った雨雲が追いかけてきてちょっと降られながら目的地へ行く。その前に、近くのベトナム料理屋で昼ごはんの予定であったがちょうど、お昼休みでだめだった。我々のあとに二人の客が訪れたが、彼らも落胆。彼らに聞くとここのベトナム料理はベスト!だそう。高まる期待。ここで、あきらめたら負けである。だので、先に美術館へ。
色々観てて気がついたが私は思ったよりも建築が好きだ。こういう箱庭ちっくなミニチュアちっくな展示最高。勝手にここにすんでいた人はこういう人だとプロファイルするのが楽しい。きむずかしやや気恥ずかしがりやや変わり者の家をかけあしで見学した。
美術館のカフェでレモンカスタードケーキなんていう殺人的な甘さを予想されるスイーツっていうんですか?を宇波くんが頼む。カスタードは生暖かい。意外と、美味い。そんなに甘くないがこれをたいらげれば確実に胸焼け決定だろう。
サガノヘルマーのブラックブレインやスティーブンキング、伊藤潤二などSFじみた話を一通り。ネス湖にも行きたかったなあ、と落胆。イギリスは不思議がたくさん。さすが不思議の国のアリスを生んだ国だ。不思議だらけで朦朧とする。
その後、ベトナム料理屋へ。今まで食べたことのないようなうまいフォーを賞味。生春巻きがオススメであったそうだがなぜかこの日はお休みでちょっと残念。ほんとうはこのあと、イギリスのICCへ行く予定であったが思ったよりももたついたために断念した。