吉田アミの日日ノ日キ

吉田アミが書きました。

モノレールに乗って、西武遊園地に行って、立川に行って、中華料理を

駐車場がないことで有名なモノレールに乗った。モノレールの駅はワイヤードみたいな蛍光色で塗りたくられていてまるでおもちゃみたいだなと思った。
 モノレールに乗り込む前にアフタヌーンティーでサンドイッチとカフェオレを買った。そのテイクアウトした食料をくいのみしながら15分の遊覧を楽しむ。サンドイッチがばかうまでこんなうまい絶妙なサンドイッチははじめてだった。ばぢるがきいてておいしかったの。
 のろのろそろそろ歩みの遅い亀のよに、ゆっくりとモノレールはゆく。
 結構高くて結構怖い。
 そして駅間がめたくそみぢかい。見えるんですよ次の駅が。
 駅につく。
 この町にくるのはこれで3度目だろうか・・・。
 ある時は朽ちたアスレチックで遊び、トトロ森の中では幻覚を見、挙げ句、遭難しそうになったりたいしていい想いでなんてないのに何故、ここに来てしまうのか?
 そして今回も同行者(っていうかゆうた)の口車に乗せられてうっかり来てしまった。うっかり、とか、ひょんとかそうゆう言葉が似合う。決して自分の意志ではないと言い切りたい。
 しかし、今回は確固たる目的があった。彼に頼んでおいたBSのマンガ夜話のビデオを取りに来たのだった。
 そうだ無駄じゃない無駄じゃないこの炎天下に歩き続ける事に意味はある!と自分を励ましながら歩いた。
 駅前には味のある字で書かれたスーパーの名前が楽市楽座。意味はおろか正体不明で何故の嵐だ。みちぱたにはなんの考えもなしにたてられたであろうドラックストアが等間隔に建っている。都市計画を考えなしに作ったしむしてぃーを思い出した。


 そこに突然、ラブホテルみたいなギリシア風建物を発見。周りは平屋か荒れ地か看板くらいしかないのに唐突すぎる10階建てのビルである。同行者の地元民に聞いてみるとそれは鈴木その子のバッタもの化粧品メーカーの建物だという。

 考えてみてよ、この建物があるのは銀座でも六本木でもはたまた皇居前でもない「ここ」なんだよ。
 ごらんよ、周りは見事に荒れ地だ。


 よく考えると私がここにいるのは実にくだらない理由だ。くだらない理由でくだらないところに来てくだらない場所に置いてけぼりにされた。くだらない場所というのは幽霊が出るというたっちゃんが死んだのがその名の由来たっちゃん池である。そこで子供らが釣りをしていた。ほのぼの。

 その近くに頭の悪そうな犬がいて、その犬がつながれている木の幹にはコンビニのビニールがかけてあって、そこからほのかにかおるかぐわしい悪臭が風下の私のところに漂う風流さ。


 数分後、戻ってきたゆうたと、やおら暑さの為にいかれた頭で夢遊病者のように西武遊園地に行った。

 矢鱈、起伏の激しい・・・遊園地・・・なのに。

 「ここは山を切り開いて作ったんだよ。」ゆうた一口メモである。

 我々は入場料1500円を散財し、猛暑のさなか、煮えたビールを早速、飲んだ。

 「ときどき自ら自分たちを追い込むようなとこあるよね。」
 「そうだね。お金ないのにね・・・」
 「10月から無職なのにね・・・」としばし現実を思い出し、いやな空気が二人の間に流れた。

 お互い遊園地なんかに興味がまったくないのに入園したのだ。正気の沙汰とは思えない。だが、ここにいるのはまぎれもない現実だ。


 我々にとっては全くミリキのいっこもない場所だが親子連れやカップルなどで割と混雑している(だけどここはダイオキシンの町、所沢。どこか光化学スモッグを思わせ、体感温度が他の市よりも高い気がする)がだまされちゃあいけない(誰もだましていないって)。
 この遊園地がなんとも悲しく、はかなく、夢の断片がところどころでほつれており、そこかしこでときどき、正気に戻るようになっていた。
 そう思うと遊園地の王様「鼠園(と中国では書くのだろうか?)」はそうゆう意味では人をむなしくさせないために、全てに細やかな気遣いがあり徹底している。来た人に一瞬のむなしさを与える隙もないように出来ている、と連れと話し合った。だって、館内の木々とか松だもん。

 みっきーなら何を植えるのだろう?きっとバイオの力を感じるような毒々しい原色の幻覚の花を植えるのだろう。
米良似
米良似
西武遊園地の脱力はそれだけにとどまらない。

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米良似高尾山でも見た食人鬼型ポップコーンマシーン「ディスクジョッキー野郎(勝手に命名)」が陽気にポップコーンを売っているわ、たこ型の不気味な乗り物はあるわ、プールからはみ出た客(芋洗い状態)が遊園地を破廉恥な格好でうろうろしてるわ、ディズニーランドに似せたおみやげ売場通りに売ってるのは直射日光を浴びたモノレール最中だわで具合が悪くなった。とにかくこのおみやげ売場の商品は凄くて、数年前のアニメの団扇(スラムダンク・・・)におらが村の大スター松坂グッズに、数十年前に流行ったとおぼしきゲームの払い下げ機には金をもらっても欲しくない景品が満載だ。


 何故、自分はここにいるのだろうか?

 自分の存在さえも危うくなり、真っ白になりたがる頭。

 遊園地の喧噪もなにもかも熱による蜃気楼のように思えた。

 せめて、観覧車くらい乗ろうという事になったが、ふと、我に返り、このくそ暑い中、観覧車になんか乗ったらそれはあんた、即、熱射病でしょう。と思いとどまった。

思いとどまった観覧車
そして立川に行った。なんだかすごい。ってなにがだ。
 なんだか便利気なデパートが乱立しておいた。さいきんできたとゆー話題のデパートに潜入したみるとそこは洋服洋服洋服のオンパレードであった。なんとなく流していると、キャサリンハムレットで猫のさわり心地の毛皮のもこもこマフラーを発見し、ひとめで気に入った為、購入。去年のマフラーは散開(としかいいようのない状態)してしまったのでラッキーでした。それはきょうはいりたてのほやほやの新入荷できときとでイキよいのだと。値段が思ったより安かったのも良かった。良かったよい買い物をしたと久々に満足した買い物だった。ほくほく。

 おなかがすいていたので最上階の中華街に行って食べた。全店中華料理でやんの。これじゃあまずい店はすぐつぶれるだろうなああというわけだからどこでもそこそこうまいのではないだろうか?という予想はあたり、なんとなく入った店でおいしゅうございましたでその上、安い食事にありつけた。

 その階には中国茶の店や中華食材を扱っている店や大中のような雑貨店などあった。中華食材店の食材はみたことないようなものがばんばん売られていた。

 何気に見ていた店内の大きな冷凍庫には蛇の凍ったのや湯葉の凍ったのやら色々と氷漬けになっていた。あら、かわいい。なにかしら、これと、雀の絵が書いてたこ焼き8つ入りくらいの小さな小箱を手に取ると、いやな重みがした。ずっしり。思ったよりも重いのだ。なんだ、これはと箱の裏をひっくり返して驚いた。

 それは雲雀(24匹)!これすなわちフリーズされたぎゅうぎゅう詰めの雀の肉箱。ぞぞぞぞぞぞ。この小さな箱に24匹ということは..........そうぞうすると何やら恐い。いつまでも持っていると手の熱で解凍されて箱の底から雀の血が染みだしてきそうで恐くて戻した。この日いちばんのショッキングな出来事だった。


 さて、家に帰って見たマンガ夜話はすごいことになっていた。ぼくんちの回だったのだが、冒頭、前回のデビルマン特集のときにいしかわじゅんが知りもしないクチから出任せをのたまわり、それにご立腹の永井豪のVTRが流れた。豪ちゃんが怒ってる!!にこにこしながら怒ってる!しかもものすごく!デビルマンだ!デビルマンやこのお人は!恐い!恐いぞ永井豪。そしていしかわじゅんおまえはなんなんだあああああ!!!!いしかわじゅんはどうやら永井豪がマンガ描いてねーといったらしく、豪は原画持参でやってきて「私は全部自分で描いてますよ!」とご立腹。始終それを訴えていた・・・・。

 きっと、再放送しないだろうな。この回。みてええええええええ。

 番組は多少萎縮したかのようにも思えるがえらそうにふんぞりかえっているいしかわじゅんはそのままに添え、呉智英が異才を放っていた。

 私はマンガの好みがにているせいもあってトモフィーのマンガ評論は好きでよく読むほうだ。テレビに写ったゴチは文章そのままの人格に一点の矛盾もない呉イズムを展開。キャラクターが確立してる竹を割ったようなお人柄が偲ばれた。って死んじゃいないぞ。

 あらあら、トモフィーのことを書くと切りがないので今日はこれにてドロン。