吉田アミの日日ノ日キ

吉田アミが書きました。

千年女優

かつて一世を風靡した女優の語る一代記……のはずが、その思い出はいつの間にか彼女が出演した映画のエピソードと渾然一体となり、彼女の話を聞くインタビューアー二人を巻き込んでの波瀾万丈の物語になって行く

今更だけど、千年女優も先週(!)DVDを借りて観た。少女は自分の想像した物語の主人公である、というのが今作った私の持論だが主人公の千代子は夢見がちな少女のまま、自分の物語以外の存在に目をそむけて生きてきた万年少女。こういう生き方が許されるのは選ばれた少女だけであって、ふつうは大人にならなくてはならないのだろう。私はそんな閉ざした世界にいるのが楽しいとは思わないけど、まあ、本人は幸せなのだからいいのだろう。彼女の目には誰も映ってはいないのだけど。
平沢進の大げさなBGMが鳴り響くたびに笑ってしまってしょうがないので、劇場で観なくて良かったと心底思う、私であった。エニグマかよ!?