てなわけで金曜日の前哨戦として上のような企画を思いつきました!まなび関係のテキストは刺激的なものが多かった!そして、感動した。「たかが」アニメですよ!?と島本先生なら言いそうイキオイの熱いパトスを感じまくりました。これは知らない人に知らせないともったいない!っていうのと、金曜日参加してくれないかしら管理人さんたち!という熱いラブコールも込めております。紹介すほかにもいいサイトがあったと思うのでお知りの方はコメント欄にタレコミいただけるとありがたいです。だいぶ、見たつもりでおりましたがさすがにカバーしきれなていないでしょうとは思ってます。とりあえず、自分の胸にズキュゥウウンと来たのを紹介、紹介ッ!
まなびストレート!を見はじめた直後はすぐに感想サイトをめぐりをしなかったのですがたまごまごさんのサイトは日常の巡回リストに入っていたためかなり早くに読んじゃいました★
http://d.hatena.ne.jp/makaronisan/20070207/1170780946
そう、この感覚は、「おジャ魔女どれみは子供アニメだから…」「かみちゅ!は萌えアニメだから…」という偏見でスルーしかけていたときに「はっ!」と気づいた感情によく似ているかもしれないです。こんな良質なアニメがあったことに驚いています。もう今期ベストテンに入りました、自分の中で。
萌えを隠れ蓑にやっちゃってるんじゃないの!?指摘!眼に見えるものだけが「正しさ」や「伝える」ことではない。その場にある「設定」や「状態」を一端、素直に受け取り解釈していくという深読みの楽しさを教えてくれるたまごまごさん「」良い!まなびにかぎらず、たまごまごさんのサイトは最早、一つの雑誌の形態のようになっていて毎回、楽しめます。そして、楽しもうという提案がいっぱいされていて愛を感じます!好きなことだからいくらでもできる人が書く文章はなんて面白いんだとあたりまえのことに気づきます。
このエントリーでは「いわゆる萌えるキャラ造形」に対して、意味を見出した解釈をされてます。これは私もエントリーで「幼く見えるのは意図的」と表現しました。→2007-02-19 - 日日≒日キ。
マンガの方では学校に通わない友達が「急に成長してしまった」という描写があるので、意図的はかなり決定だと思います。これって、私の少女マンガ脳にもインプットされている仕様なんですが「作品のデザインとはそのままそのキャラクターの正確をあらわす」というのはわりとよくある描写ですがアニメだとあんまないから結びつきづらいのかな。精神年齢が見た目に…という描き方をしたのは大島弓子なら『綿の国星』=人間になると信じる猫が少女の姿、『夏の夜の獏』=精神年齢が見た目、『金髪の草原』=ボケた老人が自分の一番、充実していた人生だった青年期の姿に。などがあります。『四月怪談』=幽霊。でも連想できる描写ありますね。高野文子の『田辺のつる』でもボケた老婆が子供の姿として描かれています。その文法でまなびを見るとオモシロイ。
この指摘を受けて最終話の1年5ヵ月後の生徒会メンバーの様子のことを考えると…っていうのを『オトナアニメ』では書きましたので読んでみてくださいネ。
ちなみに私のこのエントリーははっきり「オモシロイ!」と言い切ったため各所でとりあえげていただけました。ありがとうございます!書いたときはそこまで反響があると思ってなかったのですが、この「オモシロイ!」と「好きだ!」を言えないムードがアニメファンの中に何かしらあって、でも、そうじゃないと思うんだけどな…好きだといってもいいよね?という方々に好評だったようです。今まで可視化されなかった声を出さなかった人たちを「発見」できたのなら良かった。いたんだね、ここに。みたいな。コロボックルかよ!?心のきれいな人にしか見えません。私の心がきれいな証拠です!←嘘。
えーと、脱線したので戻しますがー
ご存知の方も多いと思いますが『まなびストレート!』の原作は電撃Animation Magazine(01年休刊)に掲載されていたイラストストーリーから発生しています。イラストストーリーからアニメと同時進行でマンガがufotableによって制作されています。キャラクターデザインは小笠原篤氏。ということは、キャラクターありき、のアニメだってことなんですね〜。なのでわざわざこのシナリオにあわせてキャラを考えたのではなく、キャラクターが最初にあってそのキャラを生かしたシナリオを書いたということですよ金月龍之介さん、ヤルゥ。第ニ話『まっすぐでゴー』では、バザーで誰かの不要を必要に代える印象的なシーンがありましたが、車輪の発明をするのではないこの感覚があるからあんなエピソードが生まれたのかな、とか思いました。
んで、よく萌えアニメ商魂逞しすぎ!と揶揄される原因の一つが、アニメ化に先行してコミックが連載。各キャラクターごとにイメージ曲も発売されたこと。キャラ萌え需要を獲得してウハウハかよという指摘にもなっちゃったんだけど、そんなにうまくやってるとも思えないので(笑)考えすぎだと思うし、金をもうけようとしなければ次がないのだから、むしろ、商魂の逞しさは作品を広める強度になるので全然、オッケー!バンバンやっていただきたい。というのが私の意見です。届いて欲しい場所に届かなかったら意味ないですから。
たまごまごさんの
こうなる。このシーンすっっっっごい好き。
このキャプションにやられました。これはキますよね。ベタな演出なんだけど、ここぞという時にさくっと見えると人はオチます!
たまごまごさんの「アニメに恋に落ちた」という表現なんですが私もまったく同じことを感じたので『オトナアニメ』で同じ表現使ってます(笑)。事後承諾で申し訳ない!でも、そうとしか言えなかったんだ!!!パクリじゃないよ!インスパイアだよ!
そして、最もよく見たサイトがこちらです。
●全てが台無し―雑記帳―
西岡さんのサイトはメールで「まなび好きならこのサイト面白いですよ!」とタレコミいただいて知りました。
そして、情報量、キャプチャー、視点などいろいろと提示していただきました。ありがとうございます!&おつかれさま!これからも楽しみにしてます!
まなびエントリーは
http://dynasick.cocolog-nifty.com/blog/cat6963742/index.html
にまとまって読めます。
途中、まなび批判をされている方との意見交換なども。こちらのサイトを「批判派の言論を無視している!けしからん!」という意見をどっかで見かけましたが、西岡さんもお書きになってますように「好きで」やっているサイトですから、いちゃもんつけるだけの意見に関してはスルーしちゃってもいいと思うし、そこまでの責務はないのがインターネットのいいところじゃないのかな。とか思って読んでました。でも、ちゃんと反応されているのを見る通り、(私もその傾向あるが!)批判意見を盲目的に無視している方ではないと思います。そこが優しいですよね。
特にパクリに関するエントリーは見応えありました。頭の中で「違うだろ」と思ってもイメージみると一目瞭然の説得力!
そして、私がこれはアニメの感想を読もうと思って読んで読める文章なのかいいのかこれ読んじゃって!と思ったのが…
http://dynasick.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/post_9296.html
僕は多分今後ずっとまなびストレートを「傑作」と賞する事はないと思う。その代わり「好き」と言うと思う。(…)僕は「欠点は有るけど好きだよ」
この一文がものすごくカッコイイ!!!正直、シビレました。っていうか、なんか人の告白現場に遭遇してしまったような甘酸っぱさまであっていいですよね。こんなふうな楽しみ方だってあるんです。いいよね。こんな素敵な言葉をかけてもらえる作品は幸せです。
コメント欄で少しやりとりさせていただいたのですが、その時に「吉田さんのブログを読んでいるとひょっとして今までに世界に足りてなかったのは「創作者による他人の創作物への褒め言葉」なんじゃないかと思えてきました。世に溢れる批評家の殆どは創作者ではないのですから。何かを作っている人からの言葉はやはり重みが違うと言うか良い意味で色眼鏡が掛けれると思いますのでこれからもどうぞ好きな物を褒めてあげてください。」と声をかけてくださったのがうれしかったです。その上、なんか許されたような気持ちになりました。ありがとうございます。再度!
まなびに限らず自分は他作品に関するレビューや読み方指南、論考も書いているのですが編集者にはその切り口を求められることが多く、また自分もそうとしか書けないんですけど読者は求めているかなあと不安になることもたびたびだったので、足りてない何かを自分が担える可能性があるならもっと書こう、書かねばと勇気をもらいました。
優しい言葉はモチベーション上げる効果があります。でも、ヒドイ言葉でもモチベーションが上がる人もいるのでどっちがいいというわけではない。両方あるのがいい状態なんじゃないかな。というのが私の考えです。バランス感覚大切。
ただ、誰かの目に触れる場所で書くならちゃんと自分の言葉で、主語を自分で書く訓練はしておいたほうが嘘にならないし、自分にとってプラスになります。思考の整理になるからね。主語を自分じゃなくする「評論」までに持ち上げるには、相当数観てないと普通は判断できません。浅はかな判断は自分のバカさを宣伝するようなもの。バカにされたいとか、モテたくないという考えを持っていないかぎり、オススメいたしません。特に批判でやるとカッコワルイ。「この人そんなに嫌だったら見なきゃいいのにあさましい人!」と思われがち。モテません。
自分の主観を一般論として語るのは知識がある上で行うべきでしょう。って、モテレッスンか。コーヒーはなんでもホットじゃありません。自分の常識を疑う、そこから新しい価値観を受容できるというもの。
●のともえ(仮)
のともえさんもすごく印象的でした。反応いただいてコメントしたのですが、そのあとに書いてくださったエントリーに感動!
http://d.hatena.ne.jp/notomoe/20070220
昨日コメントして下さった方への返答を書いていたらえらく長くなってしまった。自分のことについてはなるべく書かない方針だったのだが自分のことをだらだらと。時間をおいた今見てみると、なんだかその人の魔法にでもかかっていたような。
ここから、まなびを再評価してみようという試みがされるんですけど、最終的に出した結論まで通して一つの物語みたいに読んでしまいました。心が揺れても変わらない、また、変わらないことで新たに発見する視点もあるという。のともえさんの感想の強度を感じました。「わからないこと」をわかるまで突き詰めて考える姿勢を貫かれているのがカッコイイですね。ここまで突き詰めることができれば「無駄ではない」と思えるものです。批判であっても、そこが好きは人の好きな部分であるし、嫌いな人の嫌いな部分にもなるということを気づかされました。
のともえさんのおかげで知ったのが…
●日記
くるぶしあんよさんのまなび一気観怒涛感想エントリーはリアルタイムで読んでいたのでものすごいテンション上がりました。
2007年3月21日(水) まなび第4話(追記、第5話)
第4話。もうDVD買う。
このノリ!思わずフイタよ!
3月の日記から一気に読めます。人が何かに惹かれていくこの感じなんでしょうね。この文章ではほんとうに細かいところまで注視して観ている。ここまでのめり込むと楽しいよ!という。高野文子の『黄色い本』にも通じる物語を楽しむ視聴法が提案されているように思います。けっこう自分と書き方が似てるので(笑)なんか共感しまくってしまいました。この日記は自分が観たあとよりも後に書かれたので、作品鑑賞を追体験するという妙なことになりました(笑)。いやーこの感覚は今までなかったなー。
ここを一通り読むとかなり作品に対する「気づき」がありますよ。リアルタイム感想だからこその密度とテンションを感じる!
自分の好きな誰かの文章を、共感してくれそうな別の誰かに届けられる(そして受け取ってもらえる)というのは、こういうサイトの醍醐味ですよ。
これにはものすごい頭をぶんぶん縦に振りましたよ。こういう作用があるのって、山本直樹の『YOUNG&FINE』で「自分が誰かに影響するなんて考えたこともなかった」のセリフを思い出しました。不特定多数が読める環境で起こる魔法みたいなものだと思う。不思議ですね。
あんよさんが紹介してくださった疏水太郎さんのnotebook.jpもなんか胸に迫ってきました。短い言葉なんだけど。
あと、全然関係ないけどくるぶしあんよさんと呼ぶのがあまりにも気持ちがいい。口に出して呼びたい日本語ですよ。そして言うとイライラとかが解消されます!何故何だ!癒し系ハンドルネーム!!
●マントラプリの生涯原液35度
マントラプリさんはこの「まなび時空」の発見が目を引きました。これは思いつかなかったな〜。
視点もすごいんですけど、なにより文章が面白いんですよね。読ませますよ。
「まなび時空」に引きずり込め!! - マントラプリの生涯原液35度
あと、金月脚本に関する指摘も!
で、金月龍之介。スラップスティックなギャグをかましつつ(ニニンがシノブ)、どうしようもない地獄を描いたりする。(ジサツのための101の方法)
生徒会での少女の友情を描きながら(まなびストレート)、同じ生徒会での毒電波の乱交パーティーを描く。(雫−しずく−)
こんなこと書かれたら気になるじゃないか!変なのも=オモシロイものという価値観も共感しました。
そしてお互いアニメ批評で素敵なライバル?で高めあってるtukinohaさんの
●tukinohaの絶対ブログ領域
もまなび充実!特に私はこの言葉の問題の指摘が刺激的でした。
『まなびストレート』―「まなび」は何を語り、僕たちはなぜ「まなび」を語るのか― - tukinohaの絶対ブログ領域
言葉を発した人の意図とは無関係に、言葉は他人に影響を与えていく。言葉の意味はあくまでも話し手と受け手のコミュニケーションによって決められていくのだ、という事実を創作原理まで高めたのが『まなびストレート』という作品なのだと僕は思います。
学園祭が「いつもと変わらない普通の学園祭だった」ことにも、なにやら説得力を感じる指摘です。当たり前のことでも人によっては共感したり、好きになったり、嫌いになったり、心は動いてしまうのです。だから、それが無駄だとかくだらないとか言っても、それは自分にとって無駄でくだらないだけで他の誰かにはそれが必要で大切かもしれない可能性も考えてもいいかもね。なんて思いました。これも作品全体に漂うムードです。
『オトナアニメ』で更科さんが言っていた「ノスタルジーを誘う作品」とはこういうことなんじゃないのかな。ノスタルジーって最高のエンターテーメントなんていう意見もあるとおり「かなり潰しが訊く共感作用」でありますから人質にするのも感動させるためには必要でしょうね。効果的に使ってるとは思う。私は原稿にも書いたけどまなびにノスタルジーは感じないんだよな。共感はするんですけどね。あんな学園なんて理想なだけで女子高生が全員、あれを共有できると思ったらかなりめでたい話であります。っていうか、女子でこのアニメについて書いてる人って見あたらなかったなあ…。やはり、絵の時点で引いてしまうのでしょうかね。
●2007-03-26
隠れてもいいよというサイト名でこのエントリーはなんか二重にも三重にも意味をとっちゃっう自分であった。ブクマでも書いたけどゴキブリ頭とまで形容される(ヒドイ!)桃ちゃんのことを「桃よかったね。おまえを好きな男の子がいたわ。」 ←元ネタはテレプシコーラ(桃の部分が千花)。ちゃんと見てくれていた人がいたってのがうれしかったです。桃ちゃんについて絞ったエントリー多し!ですよ。自分は桃ちゃんという視点とキャラクターの意味するものは - 日日≒日キのエントリー書きましたー。
上のエントリーで取り上げたhttp://d.hatena.ne.jp/Capitalizm/20070413/p1も!
●http://d.hatena.ne.jp/t-j/
これはまた非常に刺激的かつ挑戦的なエントリーを続けて書かれていらっしゃるt-jさん!ヤバイにおいがプンプンして煽られまくった人も多いかと!これ、ちょっとずつ連載になっているんですよ。こういうテロリストみたいな態度もカッコイイよね。ホントのテロじゃなくって評論テロリスト!しかも、アニメでやってる!けっこう、知識のある方とお見受けしています。
http://d.hatena.ne.jp/t-j/20070326
「葛藤やら政治的メッセージやらディープな展開なんて深夜アニメにとっては飾りなんですよ!」
「偉い人たちにはそれがわからんのです!」
そんな制作スタッフの声が聞こえてきそうな『まなびストレート』。
で、彼らが作ったジオングを見た「偉い人」たちがカチンときちゃった、というのが『まなび』周辺の批判的言説が盛り上がっている真相なんじゃないかと。
もう、煽りまくりんぐですよ!
えらい人たち、なんちゃって評論家という敵を想定することで作品を受け取る側のリテラシーの問題に焦点をあててますね。私も前に匿名ダイアリーで「クリエーターは創る機械!」と言われたのでビビったことがありましたが、えらい人というよりはこういう考えを持っているクリエーターは神様だ!と考えている人ってイメージがあります。どうも人間扱いされていない気がしてどうなのと思うのでした。天皇も人間宣言したことだしお客様も人間宣言してくださいという考えです。作り手の洗脳よりも受け手に考える余地がある作品にはどうしても感情移入してしまいがちな自分です。ギリギリまでやってる感があるので。
まだまだ紹介したいエントリー&サイトはたくさんありましたが駆け足気味でざーと紹介させていただきました!