吉田アミの日日ノ日キ

吉田アミが書きました。

ルドンがるどーん他

8月11日 [TV]はだしのゲン
http://wwwz.fujitv.co.jp/gen/index3.html

後編だけみた。どぎつい描写はほとんど皆無!はだゲン独特のあの感じは脱臭されていたがそれは仕方ないだろう。
役者が全部まんがそっくり。最近のドラマはキャストをマンガそっくりにしすぎ!!
あとは石田ゆり子がエロすぎたことばかりが気になった。18禁じゃなくていいのだろうか。

8月12日 [TV]鬼太郎が見た玉砕〜水木しげるの戦争〜
http://www.nhk.or.jp/nagoya/kitaro/index.html

香川照之が水木さんに似すぎで驚いた。原作の総員、玉砕せよ!の暗黒たるムードまでいかず、わりとのんびりしている描写が多かった。昭和史や他の戦記物、足立倫行の『妖怪と歩く』など、『総員〜』以外の作品もミックスされている感じ。水木ファン的にはほとんど水木さん憑依と言って言いような現象で、とやかく言いにくいところまできっちり作り込まれていたため、何の問題もない。
ただ、『総員〜』が原作だから、丸山=水木しげるあたりまえに描写されていたのだけど、その虚構と現実のバランス、なぜこれを描いたのか的なことまで踏み込むには時間が短すぎた感じ。もっと長くすればいいのにとか思ったり。どうしても水木作品は読みすぎているため、すぐに「これは原作の…」とか「この水木さんの表情は…」とか元ネタを頭の中でトレースしてしまう病が邪魔で集中できず。知らなければ「戦争って理不尽」「ほんとばかばかしい」「なんで規則通りにそんな不条理な」という感想が素直にもてたかも知れない。

大友良英さんの音楽もすごく良かった。これでしかない、というような音楽で、独特のユーモアが出ていた。おおこのサックスは梅津和時さんのようだと思ったらほんとうにそうだった。深刻になりすぎなかったのは良かった。そして、続いていく。水木さんがまともに食えるようになったのは40歳を過ぎてから。それまでは、餓死寸前ですよ!

一つだけ。
敵を監視するのではなく、南国の極彩色の鳥たちを双眼鏡で追ってしまったがなかったのが残念だった。それが観たかったな〜。

8月25日 [TV]ミヨリの森
http://wwwz.fujitv.co.jp/miyori/index.html

期待しすぎた!って子供向けアニメなんだから私が見たい部分はカットですよ!母親と少女の決別シーンが良かったのに!マンガは。異形のものたちがあたりまえに「いる」とされているのも、なんか違うと思ってしまう。これは少女の妄想かも知れないというところが良くって。そういう不安定な思春期モノ好きとしては、あああとなってしまったのだけど、子供に見せるには安心のお話ですとは言えます。でも、そんなに簡単なことじゃないんだけど。そんなに簡単に自然を守れた気になるなんてどうなんだろうかとか、ジブリの劣化版という言葉さえ頭をよぎるが、いや、これは私用に作られたアニメじゃないのだ、それを見た自分が場違いなのだこれはこれでいいのだとかぐるぐる思う。原作に思い入れがあるとこうなるという一例。

あ、あとアニメとしても、モノローグと実際しゃべってるセリフが混同してるところが多くてわかりにく。内面の言葉なのか外面の言葉なのか。そこがマンガでは面白かったはずなんだけど。すごくスレたガキが親に子供っぽさを見て大人になるみたいなとことか絶妙であったのになー。とかなんとか。

8月@日 ルドンの黒 目をとじると見えてくる異形の友人たち
http://www.bunkamura.co.jp/shokai/museum/lineup/07_redon/

水木しげるの元ネタにもいろいろなってる怪物くんたち。もさーとした毛の描写とかふわふわしてて、やっぱりやっぱりかわいいなあ。人が多くてこんなに多い展覧会に行ったのはダリ展以来だ!とか思ったり。CGアニメのDVDも買ったのであとで観よう。このキャッチコピーいいよね。異形の友人たち。

後年、白と黒から色が生まれていく。白と黒だけでは表現しきれなくなって世界を飛び出していく見たいにカラフルで不気味で良かった。見えないものは願えばそこにいるのだし、あるのだし。だけど、私が願わなければそこには何もない。人の想像力の限界はない。想像以上のことは起こるとも言えるし、起こらないとも言える。私が想像しなかった何かをあなたが想像していないと、私は判断できるだろうか。もちろんできません。