吉田アミの日日ノ日キ

吉田アミが書きました。

ユリイカ 2007年11月臨時増刊号 総特集=荒木飛呂彦?鋼鉄の魂は走りつづける に寄稿しました

ユリイカ 2007年11月臨時増刊号 総特集=荒木飛呂彦?鋼鉄の魂は走りつづける

荒木飛呂彦
鋼鉄の魂は走りつづける
定価1,200 円(本体1,143 円)
ISBN978-4-7917-0170-4

ユリイカ2007年 11月臨時増刊号』
総特集*荒木飛呂彦 鋼鉄の魂は走りつづける

【徹底討議】
男たちの奇妙な愛情 !? 『ジョジョの奇妙な冒険』 の平行世界 / 荒木飛呂彦×斎藤環×金田淳子

みんなARAKIで大きくなった!】
荒木作品が世界最高の学術誌の表紙を飾るまで / 瀬藤光利
ジョジョ』 だってインフレする! / 元長柾木
ユーロ・ロックについて / 宇波拓

【「才能」 と 「才能」 は惹かれあう!】
〜絵師たちより 拝啓 荒木先生〜
   西島大介 田邊剛 丹治匠 彩景でりこ

荒木飛呂彦の多元宇宙】
足や靴には裏がある
本体とスタンドにおける 「フォーム」 序説。とりあえず
杜王町シリーズの広瀬康一(エコーズ)と吉良吉影キラークィーン)の戦いを例にして / 草森紳一
奇跡について 荒木飛呂彦先生、告白 / 杉田俊介
世界と繋がる、もうひとつの冴えたやり方 『ジョジョ』 の神学的理解のための素描 / 宮昌太朗

【美と方法をめぐって】
法外なもの、不均衡なもの、否定的なもの マニエリスト漫画作家、荒木飛呂彦 / 加藤幹郎
Stand and distortion 荒木飛呂彦の 「立ち位置」 / 暮沢剛巳
ヘブン・ノウズ・ハウ・ザット・ビジョン・イズ 〈ねじれる視線〉と〈神の視点〉の可能性 / イズミノウユキ

ジョジョ立ちアルバム】
ジョジョ愛炸裂! 『ジョジョ立ち』 ヒストリー / カジポン・マルコ・残月

【上々の女子も 『ジョジョ』 が好き!】
D/J ジョジョの奇妙な構造と力 / 金田淳子
加速する肉体の氾濫/反乱 『スティール・ボール・ラン』 から始まるアメリカ / 小澤英実
ビューティフル・ワールド! 『ジョジョの奇妙な冒険Part6 ストーンオーシャン』 を読み解く / 吉田アミ
この神聖なお転婆娘たち 荒木飛呂彦作品における女性観の変遷について / 野中モモ

【資料】
極私的スタンド事典 / 編=川島章弘+市川真人

 ビューティフル・ワールド! 『ジョジョの奇妙な冒険Part6 ストーンオーシャン』 を読み解く / 吉田アミ
 というわけで吉田アミは書きました。
 まだ、手元になく読んでおりません。軒並み売り切れでamazonでもすでにプレミアがついているという凄まじき荒木先生人気!

 論考冒頭にも触れましたが荒木飛呂彦作品とは、論じること自体が陳腐になりかねない作品だと思う。言語化できないんじゃなくって、言語化する必要がない。論考読むより、作品を読め!作品に全部書いてある!というくらいエンターテーメントととして優れた作品であるからこそ、人々を魅了して止まないわけです。そんなこたぁ承知の助で書くとなると私に6部しかなかったんですよね。6部しか語れなかったわけです。それでも3000字書いたときにパタっと筆が止まってにっちもさっちも行かなくなるほど、難しいわけですよ。荒木先生が敢えて語らなかった部分を暴けば無粋になるし…。などなど。6部を読み返しまくって書いたわけですが、刊行の前日にはジョジョの大ファンの読者に「おまえは荒木先生のことをわかっていない!ここはこうじゃなくってこういう意味だ!」と怒られるという夢まで見る始末。かなりのプレッシャーを感じるのがふつうの神経。荒木先生はファンに愛されていて、読者と作者の関係がは理想に近い。ほんとうに良い関係を築いていることが多くのファンサイトを見れば一目瞭然。これほど愛されているのは、荒木先生の愛が深いからですよ。ということがわかるのが第6部なんです!よという切り口。荒木先生の作品論の一端が説教臭くならずに見え隠れしているんですよね。注意深く読んでみると。知ってるよ!と言われそうなんですが、まあ、これは発見されてないだろう、ユリイカ!つーわけです。私のユリイカ原稿はユリイカ!っていうための原稿〜ららら♪
 
 全体を通して断言できるのはもう、タイトルで書いたとおり「ビューティフル・ワールド」美しい世界なんですよ。荒木作品って。人間讃歌という言葉にも繋がりますが。私はこの考えにシビれます。良い/悪いの判断ではなく、作者の美しいと思う感覚。判断基準が美しさにある。だから、優しいし、美しい。悪にも、善にも美しさがあるから、どうしようもなく惹かれるんだと思うのでした。もうちょっと書きたい気もしますが、原稿にすべて込めたので、お手にとって読んでもらえれば〜と思ってます。