吉田アミの日日ノ日キ

吉田アミが書きました。

マンガ漂流者(ドリフター)』秋の特別番外編『天高く馬肥ゆる秋!恋せよ「女体」!

http://www.webdice.jp/dice/detail/1970/

やっぱ、秋は女体だよね〜☆ってなわけで、今回、タナカカツキはお休み!唐突に女体話をしております。といっても、女性のマンガ家が女体をどのように描いてきたかということに焦点を絞って書きました。最後には愛されボディマンガということで、「Swimsuits Fellows! 2009」、三島衛里子「高校球児 ザワさん」、山崎紗也夏シマシマ」、ドルショック竹下「セックス・ダイエット」を紹介しています。

一部、前回のブレインズで話した内容ともクロスオーバーするので授業を受けた方はさらに楽しめる&確認になるんじゃないでしょうか。ここで紹介したマンガは持っていったので読まれた方もいたと思うけど、「あるまいとせんめんき」いいよね〜。どういう話かちょっと説明すると鼻くそをくつけあってカップル誕生→同棲というくだりです。復刊してほしいわ。原田智子も女性マンガの歴史を変えたという点では重要な作家なのですがあまり評価されてる気がしません。なぜなら、コメディだからでしょうね。それから大和和紀(原作・島中隆子)「真由子の日記」もヤバイ!これも復刻すればいいのになあ。何がやばいって、原稿にも書いてるけど、メロンでパッドを作るビジュアルもすごいんですが、後半、ベトナムごっこという遊びがヤバイ!これは車道に飛び出てギリギリ車に轢かれない遊びをするという意味不明なもの。それから男の胸毛描写がすごいんですがまあ、あんまり今回のテーマと関係ないので端折りました。

で、書きながらだんだんと頭がエロモードになってきたので、「ぱふ」の画像の川原由美子の「精いっぱいおまつりにしちゃお」というセリフが意味深に読めてきて困る。精がいっぱいのお祭り!?なんたるハレンチ!少女マンガの微エロって、妄想力を刺激してくれて楽しくて仕方ないよね。

90〜00年代の女性マンガ話はほんとはもうちょっと時間割いて話したり書いたりしたいのだが、どっかで書かせてもらえないだろうかね。あーいくらでも書けるというのに。新書で出したい、新書を出したい。私に新書を書かせてくれーっ!特にコネなし。どこに聞けばいいのか分からないのでとりあえず叫んでみた。編集者の人、書きたがってる人ここに居ますよ。でも、その前にもっと全体的な話をしてからじゃないとダメなのでまず、目の前の原稿に手をつけます。すみません。

とまーそういうわけで良い意味でマンガの中では男女差みたいなものがかなりなくなってます。女性が売り物になった時代は遠くになりけり。女性でもエロい女体が描けるようになった、女性が女性の美しさを客観的に褒められるようになったというのはとてもいいことです。かつてはほとんどなかったジャンル、レズビアン、百合ものが一定の支持を受けるようになったため、女性が女性を見て欲情するという表現が描かれるようになったんですね。最近だと秋山はる「オクターブ」、青木光恵「パパイア軍団★」、アニメ化もされた石見翔子かなめも」なんかが浮かびますね。志村貴子の「青い花」もアニメ化されたり、実は近年まれに見る百合マンガ豊作期かもしれんな。まあ、数年前からその萌芽はあったんですが。これが女体を美しく描くマンガへの要求とぴったんこ(ラズウェル細木風表現)。
なんつーか私はエロとか説明すると「じゃあ自分はどうなの?」とセクハラ要求されるという昭和センスがマジでウザイ!誰もが山本直樹で抜いてるわけじゃない。私はエロのプロじゃないのでそういうことはプロにお任せします。うまいことも面白いことも特にいえないし、あんまり個人的な話をするのは好きではありません。それが逃げてるとかよくわからんことを言われてもマジで困るのです。そもそも自己顕示欲でなんか書いても面白くない。面白い話ならいくらでも売るがな!というわけで、自分はあえて女体の「表現」の変化に着目したわけです。まあ、あんまそういう話をしている人もいないので良かったのではないでしょうか。ちゅうか、私がマンガの中のエロを語ったところで商品価値ないでしょうしね。マニアにしか受けんだろう。いや、期待してくれるのはありがたいが、そんなんで褒められてるよりはちゃんとマンガ読んでますねと、まっとうに評価されたほうがよっぽど嬉しいです。なので、たまごまごさんのエロマンガは本当に写真と比べて「ストレートなエロ」を避けてきているのか? - たまごまごごはんとかマジで共感するわ。「オタクとして楽しみたい=妄想の楽しさを共有したい」。これ!作品の話をしてるのにその裏で動く感情なんていうのはエロという商品価値がある人やエロを生業にしている人に求めるべきで、女性だから女性ならではの視点でエロ語れというのは古すぎる。つーか、私に女性のまっとうを求めないでください。明らかに女性のサブカルですから……。すべての王道から外れてますから……。だから、サブカルなんだって。サブカル班担当ですから。すばらしい女性の語り手はいっぱいいますからね。私がやらんでも良いのだ。じゃなきゃ「女性性を排除したヴォイスパフォーマンスで評価」されてません。ちなみにそういう女性のヴォイスパフォーマーっていうのはこれまで皆無だったどころか、他にもいないのでやる意味と需要があるというか。このあたりはヴォイスやるときに徹底的に苦悩して、編み出してる表現なので私が他人の作品について何かを書くということはその「経験」も加味されている。ここが面白いところだし、そういうところを期待されて原稿を書いている。私は私のやりたいこと、私がやるべきことをやるわ。

どっちかというと自分は若い人の感覚の方が水にあってる。だからこそ、「ザワさん」は今、受けると思うんだよね。これは女性にも男性にもおすすめできる。こういう女子がいる、という発見。ヘッドホン少女にも通じる。自分の世界を持っている他人のものさしで測らない、それが「少女性」というもんだろう!ついでにいうなら「少女マンガ」もサブカルだ!!!←説得力のある説明ないので頭おかしいとしか見えませんが、おいおい書く機会もあるでしょう……。

もうちょっと書けるならもっと細かく、作品を紹介していきたかったのですが、紙数がねえ。タカハシマコとかの肉体表現も面白いんだよね。少女マンガの絵でエロを描いてるんだが、私は、谷間夢路と共通する表現だと思うよ。この違和感!そう、むしろそこが良い!いやーほんと女性作家面白いんだよ、今。女性マンガ誌からはみ出たマンガ家が面白い!とか言ってたら、BL出身で商業誌にやってきたぜYOYOYO!っていうのが侮れん。フェティズムを描くなら少女マンガのメソッドで描くというのはすっごい理に適ってる。見たいところを見るからね、少女マンガの本質は。んでもって、山本直樹って、実は少女マンガがすっごい好きで萩尾望都とかが好きなんだよね。原稿にもちらっと書いたけど、女性読者が多いのは絵の力だよね。でも、昔のロリコンものとかは苦手な人多い。私も苦手ですが。どっちかっていうとホラーなんですよね。森山塔のとかね。そう考えると、山本直樹の百合ものとかってかなりいいんじゃないだろうか。まあ、絡みで女×女も描いてるけど。ど直球のが見たいような気も。

まあ今回は「女体」に絞ったわけですが、「男体」に絞って書くのも面白いかもしれない。要望が多かったら書こうかなー。読みたいですか?でも、あんまり「男体」の変化ってない気がする。マンガ読んでて「お、新しい!」と思ったことないですね。「女体」は変化を感じることができたんですが。どうなんでしょうね。ああ、メガネとかか。ぜんぜんないわけではないですな。

あと、ドルショック竹下先生が体当たりエッセイマンガ界に新風を巻き起こしてくれるようなうれしい予感があるのでみんな期待しよう。あの人はヤるときゃヤル女だよ!

最後にこれからは、肉食系をそのまま「お肉を食べるのが好きな人」という意味でみんなも使おう!というわけで、与太話でした。ではではまた来週。